ウイルスの感染を防ぐ換気

コロナウイルスですが、大阪のライブハウスでは50名を超える方が感染しました。

これまでの報道などから換気に関しての問題点を洗い出してみました。

感染の3つの条件

すっかり有名になった『濃厚接触』という言葉ですが、はじめはとても違和感があったのですが、何度も聞いているうちになんとなく意味がわかったつもりになっています。

そして、コロナウイルスの感染を助長する3つの条件とは、

(1)換気の悪い密閉空間
(2)多くの人が密集
(3)近距離での会話や発声

があげられます。ここにライブハウスやスポーツジムなどのクラスターと呼ばれる、複数の感染者を発生させた現場が生まれました。

日本の住宅や新築のビルは、ご存じのように換気が決められています。

基本の換気回数は、住宅では1時間に建物の気積の50%ですが、ビルなどは用途によって異なります。1人あたり20立米ともいわれています。

ところが、古い建物の場合は、冷暖房はあるのですが、換気に関しての規定は特にありません。また、用途を変更している場合は、なおさら換気などはほとんど考慮されていないともいえるでしょう。

現在のお客様は、その点をとても心配しています。という事で、それをしっかり説明すると、安心してもらう事が可能です。

熱交換型換気システム

実際に感染を広げた、『ダイヤモンド・プリンセス号』の換気システムは、70%の屋内の空気を戻して、新鮮空気は30%しか入れませんでした。

これは、換気を行えば行うほど、折角暖めた、あるいは涼しくしたエネルギーを捨てているので節約のためです。船ではエネルギーも限りがありますから。

日本の大型建築物の場合は、それでも規定の換気風量を満たしていれば、建設許可が通ります。

住宅は100%フレッシュな吸気でないとお客様を守れないという事になっていますし。ほとんどの換気はその様に設計されています。

さらに、エナルギーを捨てないためには、熱交換をしっかり行うことで、熱を回収して、更に換気を行う事が可能になります。

これらの換気システムは、どれが一番良いか?とよく聞かれますが、日本製の物のほとんどが、和紙などの熱交換ユニットなのに対して、海外製の熱交換ユニットは金属製かセラミックス製がほとんどです。

どちらが良いかは、それぞれ特徴があるのですが、耐久性で考えれば当然、金属、樹脂、セラミックの物が良いと思いますし、熱交換ユニットを交換して使う前提であれば、紙のユニットの方が効率は良いようです。

後はどのようにお客様に説明するかで、お客様の反応は変わってきます。我々と同じレベルでの知識はお客様が持ち合わせていませんので、我々の説明が全てになってしまいます。そこはプロとして慎重にお伝え戴きたいと思います。

熱交換の仕組み

Posted by 湊 洋一