夢の無暖房住宅ってできる?
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年9月15日の断熱ブログ第70号》》》
シミュレーションで考える無暖房住宅
皆さん、無暖房住宅というのは考えたことあるでしょうか?
もちろん、聞いたことぐらいはあるでしょうね。
ドイツにあるらしいという、無暖房住宅です。
その前に住宅の熱についてちょっと考えていきましょう。
冬の間の事になります。
住宅での熱の収支を考えると、冬の間はこうなります。
必要な熱量(住宅を健康的に維持できる室温)=生活廃熱+日射取得+暖房
こうなります。日射取得は太陽光からの取得で、過去にもブログを書きましたのでそちらを参照してください。
そして、生活廃熱ですが最近はどちらかといえば減少傾向です。
それは家電の待機電力がどんどん減っているからで、家の中の熱源は調理時の熱源、お風呂の熱源、人体からの発熱が主になっています。
そして、それを暖房で補って快適な温度を保つというのが、住宅の一般的な考え方です。
無暖房住宅は暖房を極限まで減らす
無暖房住宅は、その暖房を極限まで減らす事で成り立ちます。
正直なところ意味があるのか?ないのか?といえば、思考実験としては面白いと思いますが、実際にこんな家を建てて見たいと思う方はそんなにいないだろうなとは思ってしまいますね。
はい。現在の建築手法を全く無視して、一応数字だけぶち込んでUA値0.17という住宅を考えてみました。
窓はもちろん樹脂トリプル。断熱は壁GWなどを組み合わせて400ミリ以上になります。フェノール系やウレタンボードだと300ミリ。天井も400ミリ以上、基礎断熱は内外設置します。
機会があったら工務店さんに協力して貰って、実行予算出してみたいと思いますけれども。
一度モデルハウス建ててみたいな。計算したらやってみたくなりますよね。
さて、その上で光熱費出してみました。無暖房なので、暖房費はゼロ円です。冷房費は、どうしてもかかってしまいます。でも、年間に1万円ぐらいですね。

年間光熱費は13.7万円になりました。家電などがどうしてもかかってしまいます。ただし、暖房費が無くなるので一番目立つのが調理家電。次に目立つのが給湯器でしょうか。
ただし、昨日お伝えしたUA値0.42の水戸市での住宅が20万円切っていることを考えると、光熱費という点では大した事無いなと思います。
つまり、建設費を回収するのにはかなり長い期間がかかるなと思います。
一番注目すべきは、快適性
では、何のメリットも無いのか?といえば、それはもちろんたっぷり有るわけです。
この温度分布を見て貰えば解ると思いますが、
全く暖房していないのに、建物全体がどこを取っても15度を下回らない事ですね。



HEAT20 G2ぐらいの建物だと、どうしても10度ぐらいに下がるポイントが出てきます。ところが、UA値0.17ぐらいのサブ0.2の建物の場合は、よほど熱源が全くなく、人が全然来ないような倉庫のような状態で無い限り、普通に生活しているだけで15度から17度ぐらいをキープする建物にできるわけです。
そうすると、布団は真冬でも毛布でいけるレベルですね。羽毛布団なんて暑くて使えません。そんなもの要らないってなります。
これに、北海道では普通に行われているエコキュートを屋内にいれるというワザを使うと、場所にも寄りますが、脱衣所はもっと温度を上げられますし、エコキュートの電気代は確実に下げられますね。
残念なのは無冷房住宅はできない事ですね。2地域の軽井沢や、北海道などでは可能かなと思いますが、4地域以南ではちょっと難しいですね。
この計算は、実は120平米のかなり大型の建物でのシミュレーションなので、近日中にもっと小さい建物でのシミュレーションをやってみようと思っています。
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