パッシブハウス研究所と日本の1次エネルギー基準
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店の役に立って、元気になる記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年11月26日の日本一わかりやすいエコ住宅の作り方ブログ第132号》》》
パッシブハウスの特徴
パッシブハウスというは、ご存知でしょうか?
ドイツのパッシブハウス研究所が認定する住宅を指します。これには規定があります。
それは、1㎡当たりのエネルギー量 kwh/㎡(年間)
冷暖房負荷が各15kwh/㎡以下
一次エネルギー消費量(家電も含む)120kwh/㎡以下
気密性能として50㎩の加圧時の漏気回数0.6回以下※
※漏気回数0.6回以下=隙間相当面積(C値)=0.2c㎡/㎡以下となる。
この3つです。
これに関しては、意味があまりよくわからなかったのですが、とても頻繁に冷暖房負荷の計算を行うようになって少しずつ解って来ました。
冷房負荷も、暖房負荷も平米あたり15kwh年にする必要があります。
そして、1次エネルギーは、平米あたり120kwh年以下になります。
1次エネルギーは、基準に対してどのぐらい削減できるかの割合をBEIという数値を基準に使いますが、UA値0.87でのエネルギー基準を元に算出しています。
正式な基準値からの比較は、建物によって異なりますがおおよそ、120kwh/平米年という数値は、日本政府基準の半分程度になるようです。
別の機会に比較数値を算出します。
そして、冷暖房負荷が15kwh/平米年というのがとてもやっかいな数値になります。
やっかいな冷暖房負荷基準
というのは、室温をある程度保つためにはエアコンが不可欠なのですが、建物の断熱性能をいくら上げても、エネルギーはどうしてもかかります。
そして、その暖房エネネルギーは太陽光を取り入れることによって、昼間の間はある程度押さえることが可能であり、冷房負荷は太陽光を遮らないといけないわけです。
これが一番の矛盾する考え方で、冬は太陽光を積極的に取り入れることで暖房負荷を減らして、夏は太陽光を遮ることで建物の温度を上げることを防ぐというわけです。
この設計のことをパッシブ設計といいますが、これを計算できて初めて正確な冷暖房負荷を計算することができます。
最近のシミュレーションソフトはどれもこれができるようですが、本来は隣地からの影響もきちんと読まないと正確な冷暖房負荷は算出できません。
このあたりを、含んだ形でドイツのパッシブハウス研究所のパッシブハウスの基準があるわけです。
近日中に、このあたりの計算は実例を交えながらきちんとお伝えしたら良いなと思いますが、実は日本の国土交通省の1次エネルギーシミュレーションには、この太陽光による影響が全く考慮されていません。
ですので、単純な比較で日本の1次エネルギー基準と、パッシブハウス研究所の定める120kwh/平米年という基準を比較することはできない訳です。
近日中にこのあたりを整合性の取れる形で表現できればなと思っています。
ご期待ください。
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