男女で違う快適領域
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年8月6日の断熱ブログ第32号》》》
人間の快適なシーズン
日本での爽やかで、快適な時期というといつが思い浮かびますか?
今年なんかは、5月が凄く爽やかで、梅雨が始まるまでたっぷり素晴らしい天気が続きましたが、一般的には5月1ヶ月と9月の残暑が取れた後半から10月の20日頃までの1ヶ月ですかね。
一般的には、GW前後に海に行きたくなるぐらい暑い日が続いたり、10月下旬には窓を開けておくと肌寒かったりしますよね。
この時の気温と湿度がずーっと屋内で続くと暑くもなく、寒くもなく快適な感じじゃないでしょうか?
でも、実はこの快適という気温に関しては、男女差があるといわれています。
男性は暑がり。女性は冷え性
よくいわれているのは、男性は暑がりの傾向あると言うことです。
ちょっと体格の良い人だととにかく夏はエアコンをギンギン効かせて涼しくして、毛布かぶっているぐらいが丁度良いという方がいます。
その反面、女性は寒がりな方が多いという印象ですね。
若い時はそうでもないようですが、40歳を過ぎてくると身体を冷やすと体調が悪くなってしまうという方が多い印象です。
インテージ社の調査によると、職場での女性の快適設定温度は、25.7度。
男性は25.0度だそうです。
たった、0.7度ですが、女性の方がやはり寒いのは苦手なような気がします。
https://www.intage.co.jp/gallery/officetemperature/
ここで注目すべきは、温度設定で25度設定というとかなり涼しい数値です。
一応、政府は室温を28度に設定して欲しいということをいっています。
実際には、わが家なんかもエアコンの設定温度は26度か、27度にするケースが多いですね。
28度だと暑くていられないのか?
では、28度だと暑くていられないのでしょうか?
例えば、夜寝る時はあまりに寒いと夏でも風邪を引きますよね。
わが家でも子供がエアコンをつけっぱなしにして寝てしまって、翌日咳をして起きてくるということが、年に1,2回あります。
エアコンメーカーのダイキンさんが、2020年にこんな調査を出しています。
『室温28℃でも湿度を下げれば疲労軽減に有効であることを実証』
https://www.daikin.co.jp/press/2020/20200528/index.html
この中で、男女差についてもきちんと触れてあって、こんな感じのグラフが出ています。
このグラフは、下向きであればあるほど快適だという形になっています。
そして、男性では、24度から26度が快適であるといい。女性は24度になると快適だという人間が男性よりもかなり少なくなっています。
そして、面白いのは女性の場合は、28度でも湿度が40%と低ければ快適であるといっている点ですね。
そして、男女とも24度というちょっと涼しすぎる温度以外では、湿度が40%、55%、70%と比較した場合は、どの場合でも湿度が低い方が快適だといっています。
この実験の目的は疲労度を下げるための、温度と湿度の関係を調査しているので当たり前といえば、当たり前ですが。
疲労度を温度、湿度別に比較したり、自律神経の調整度合いを見たりととても興味深い実験ですから読んでみてくださいね。
家庭での快適度は湿度コントロールで
そろそろ結論を書いてみたいと思います。
結論を書くと、健康状態や疲れやすさ、快適性能などを考えると、夏場は温度は上げ気味にして、湿度を下げるというのが、快適な住宅を作るために必要な技術です。
夫婦+お子様の健康も考えると、室温は26度から28度。できれば27度以上にした方が良いのかな?と思います。
この時の湿度ですが、できれば50%前後。できれば50%以下でコントロールできれば良いのではないでしょうか?
そのためには、昨日お伝えした除湿機能をフル活用する事です。
https://mx-eng.jp/dannetsu_column/taisaku/
エアコンの除湿能力は1時間で1kg程度です。
温度26度で湿度70%の空気には、おおよそ1kg中の空気に20g程度の水蒸気が含まれています。
これを50%を切る為には、15g以下にしないいけません。
床面積が100平米で、天井高さが2.5mとすると250立米の空気が住宅に存在しています。
因みに、1立米の空気は1.2kgありますから、住宅の内部には300kgぐらいの空気が存在ます。
意外に重いですよね。
そして、その空気に含まれている水蒸気量20gから15gに減らすためには、必要除湿量は?
5g減らすとして、300kgの空気があるので6kg分減らさないといけません。
密閉空気とすると1時間1.1kgですから、およそ6時間でその程度に湿度を下げることができます。
実際は、換気しているのでどんどん外から湿気が入ってきます。
ですので、なかなか狙った湿度に到達させるのは難しいかも知れませんね。
そのためには、熱交換型の換気システムの中でも全熱交換型と呼ばれるものを導入する事を考えても良いかもしれませんね。
最低限必要な性能
ただし、それらの条件を成り立たせるためには住宅の性能が不可欠なんです。
というのも、あまりに断熱が良くないとどんどん熱気が建物の外から入ってきます。
そうすると温度も大きく変化しますし、せっかく涼しくしても温度をキープできなくなってしまいます。
HEAT20がせめてG1グレードの住宅を建てて欲しいといっているのも、このあたりに原因がありますね。
また、建物の断熱、空調と温度と湿度については別なテーマでも書いてみたいと思います。今日はこの辺で。
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