夏の湿度の移動を考える

新年あけましておめでとうございます。

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《《《2024年1月4日 エコ住宅をつくる中小工務店のためのブログ第429号》》》

去年の晩秋に、とある夏は暑くなる地方にお邪魔しました。

その工務店さんは初めて伺ったのですが、こんな相談を受けました。

2023年の2月か、3月に引き渡して、初めての夏。

建物の壁面にカビが発生。所によっては、少し結露している様に感じると言うことで、一部壁を撤去したところ、結露を確認した。

そこに、バリアシートを貼ったところ、結露が更に激しくなって、大クレームになったということです。

充填断熱は、ウレタンフォームと言うことで、ウレタンで激しい結露というのは経験なかったので、当社でシミューレションしてみました。

夏に高湿度になる壁

まずは、壁構成はこんな感じです。

窯業系サイディング16mm/空気層18mm/屋外側透湿防水シート/構造用合板9mm/吹付100倍ウレタン75mm/空気層25mm/内側シートなし/せっこうボード12.5mm

一般的なウレタン構成ですが、その場合の湿度の分布が上になります。

夏に壁体内の湿度はほぼ100%。これだと当然カビはきます。

カビは湿度70%ぐらいで生え始め、90%を超えると急速に増えます。

この場合は、壁体内の湿度は100%程度ですから、徐々にカビますね。

対応策で防湿シート

その対応策で防湿シートを貼ると、夏の逆転結露は協力に発生しますす。

この下の表で水色で表現されているのは、水分です。

水蒸気ではなく、完全に水です。

こうなると石膏ボードは、水を含むのでヨレヨレになる可能性があります。

少なくともカビは大量発生します。

どうすれば解決するか?

どうすれば解決するの?を考えた表が下の2つです。

1つめは、防湿シートの代わりに可変型のシートを入れた場合。

これだと、壁体内は湿度が上がっても80%程度。カビはほとんど生えません。

2つめは、ウレタンを30倍発泡に変えること。

これでも湿度は上がります。30倍発泡ウレタンは100倍発泡ウレタンよりも透湿抵抗が非常に高い物質ですので、壁体内からも、壁の外からも湿度を寄せ付けません。

と言うことで、どちらかにすれば解決します。

ちなみに、このグラフを作ったのは、WUFI と言うドイツ製のソフトです。50万円以上しますがこのように365日のアメダスデータで1年分の詳細データを作れますので便利です。

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Posted by 湊 洋一