断熱材に使われるフェノール樹脂
こんばんは。
MX代表のみなとです。
今日も、毎日のブログを書いていきます
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《《《2024年1月16日 エコ住宅をつくる中小工務店のためのブログ第441号》》》
この間ウレタンという断熱は危険だというブログやYouTubeを拝見しました。
彼らの主張はとても簡単で、ウレタンの原料は危険物だと。だからダメなんだ!ということでした。
危険物ならダメなんですか?本当に、そんなことをいっていますこのご時世いいますか。
ちなみに、ウレタン断熱材は、1950年代にアメリカで開発されました。
ただし、1990年代にはフロン(CFC)を使用した硬質ウレタンフォームが環境への影響から使用されなくなりました。現在普及している炭酸ガスのウレタン断熱材は15年程の歴史です。
ウレタンの原料は、ポリオールとイソシアネートを反応させて作りますが、イソシアネートが危険物だということでした。
これについては、反論のYouTubeを撮ったので後日公開されるでしょう。
フェノール樹脂の原料
世の中には、フェノール樹脂というものがあります。
世界最古の樹脂です。その昔は、フェノール樹脂の固形物をベークライトといいました。元々ベークライトは商品名でした。
この原料は何かご存じでしょうか?
フェノールとホルムアルデヒドです。
フェノールには、いくつか種類があるのですが、どれも危険物です。
安全データシートにはこう書かれています。
(安全データシート 職場のあんぜんサイト:化学物質: フェノール (mhlw.go.jp))リンク先に飛びます!
危険有害性情報: 飲み込むと有害(経口)
皮膚に接触すると有毒(経皮)
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
重篤な眼の損傷
遺伝性疾患のおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
呼吸器、心血管系、腎臓、神経系の障害
長期又は反復ばく露による心血管系、肝臓、消化管、血液系、腎臓、脾臓、胸腺、中枢神経系の障害
水生生物に毒性
ちなみに、ホルムアルデヒドは、安全データシートには、こう書かれています。
(安全データシート 職場の安全サイト:化学物質: ホルムアルデヒド(mhlw.go.jp) リンク先に飛びます!
危険有害性情報: 極めて可燃性・引火性の高いガス
加圧ガス;熱すると爆発するおそれ
可燃性液体
飲み込むと有害(経口)
皮膚に接触すると有毒(経皮)
吸入すると生命に危険(気体)
皮膚刺激
強い眼刺激
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
遺伝性疾患のおそれの疑い
発がんのおそれ
神経系、呼吸器の障害
長期又は反復ばく露による呼吸器、中枢神経系の障害
水生生物に毒性
主張の矛盾
原料が危険物なら危険とおっしゃるのであれば、フェノール樹脂は使えません。
フェノール樹脂は、建築材料としては、ネオマフォーム、フェノバボードの原料だけではなく、グラスウールのバインダーとしても使われています。
ウレタンが危険だとおっしゃるのであれば、フェノール樹脂が含まれている、フェノール系のボードとフェノール樹脂がバインダーとして使われているグラスウールが使えなくなります。
ですが、ご存じの様に安全に使っている訳です。当社はフェノール樹脂を使って危険とは思っていませんし、ウレタンも危険だとは思っていません。
つまり、ウレタンが危険というのであれば、フェノール樹脂についても平等に扱わないといけなくなります。
セルロースファイバーに使っているホウ酸化合物も危険ですので、断熱は止めようという話になります。
職場のあんぜんサイト:化学物質:ホウ酸 (mhlw.go.jp) リンク先に飛びます!
どの化学材料も数年前にできたわけではなく、最低でも50年以上の歴史があり、多くの人の目にさらされてきたわけです。
それをもって、これが危険、あれが危険とやると建築業界の発展もありませんので、バカも休み休み言えという話だと思っています。
皆さんも材料批判は慎重に行いましょう。
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