全館空調こと始め

パナソニックが今年の6月に全館空調を発売したそうです。名前は、『エアロハスM』といいます。

基本的に何でもありの空調システムでして、熱交換+花粉対策+コロナ対策+エアコンを全て兼ね備えたシステムで200万円程度の費用がかかるそうです。

工務店の皆様の所には、全館空調の売り込みが沢山なされているでしょうね。Z空調120万円、そのほかにも沢山のメーカーが存在します。マッハシステム、yucaco森の住まいなどなど。

どれもこれも最低価格が120万円ぐらいで、1棟あたり200万円というのが普通になってきました。

安く全館空調を組み立てる

最近では、YUCACOと松尾方式が、空調業界の2大巨頭になっています。YUCACOは、坂本雄三先生が、松尾方式の床下暖房+小屋裏冷房は、松尾和也先生が提唱されている方式です。

当社はお陰様でお二人とも仲良くさせていただいているおかげで、両方の作品を拝見しています。

また、LIXILグループは、GLホームを皮切りにYUCACO方式を簡略化したオリジナルシステムを、来年正式発表するべく準備しているそうです。

ここへ来て一気に全館空調が、住宅の主役に躍り出そうな感じになってきましたね。

では、工務店としてはどうすれば良いのでしょうか?当社はYUCACOの会員として、YUCACOの設計マニュアルを見られるので、そこからおおよそのことが理解できます。

また、松尾方式のエアコン1台の全館空調システムも1棟設計させてもらいました。

その知見から理解できるのは、断熱性能はZEHではダメだということです。

YUCACOでは、全館空調を行うための指標として、HEAT20のG2グレードをおいています。6地域では、UA値0.5を確実に切らないといけません。

これは充填だけでは、限界ギリギリの数値ですね。窓はトリプルにして、壁は100倍のウレタンか、GW24Kを100ミリ。そして、天井には200ミリ程度のGWか、100倍のウレタンの場合は200ミリ以上が必須になります。

これだけやれば何とかUA値0.5を切ってこれるでしょう。その上で、空調をプランニングしないといけません。

一番安くするためには

その上で一番安くするためには、市販品を使うことです。YUCACOもマッハシステムや森の住まいの監修を受けると、特許があるのでかなり高くなってしまいます。

LIXILグループの実行予算は70万円。松尾方式の実行予算は45万円+換気システムとのことです。

これだけ安く組み立てられれば、充分にお客様に提案できます。販売価格は100万円ぐらいでいけるでしょう。

当然ですが、パナソニックのシステムでも、Z空調でも、特殊な機器を使えば使うほど、機器の交換や修理代金がとても高くなってしまいます。

空調は絶対に壊れますので安価に提案できないと富裕層だけのものになってしまいます。その前に、冷暖房負荷を計算できる建物にしないといけません。それは当社に任せてください!

Posted by 湊 洋一