大手ハウスメーカーを褒める
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年9月7日の断熱ブログ第63号》》》
大手は凄い
大手ハウスメーカーを選ぶお客様が後を絶ちません。
大手さんの場合は、こんな感じで経営しています。
- 業者が大手向けに特値を出して、商品開発もしてくる
- 新卒で営業担当者、設計者などを採用できる
- 社内のマニュアルがしっかりしていて、失敗しにくくなっている
- テレビ、ラジオ、インターネットでの広告宣伝費も億単位
- 全国の総合展示場に出展している
- 独自工法を上手に宣伝している
当社の場合は、大手ハウスメーカーさんとのお取引は一切ありません。多分、相手にされていない以前に、まったく知らないのだと思います。
なので、客観的に書けるというわけです。
これだけ見れば。大手ハウスメーカーを選ばない方がおかしいと思いますよね。
大卒のスーツを着こなしたバリッとした社員が、かっこよくオシャレな住宅を案内してくれます。テレビをつけたら有名俳優が、その住宅をお勧めしてくれるし、住宅展示場では必ず何社かの商品を見ることができます。
WEB広告も上手ですし、欠点が見当たりませんよね。
大手は欠点がないのか?
では、そんな大手に欠点はないのでしょうか?
それがどんな組織や人間にも欠点が存在します。もちろん、大手にも欠点はあるのです。
それが、超高コスト体質です。
- 住宅展示場の1ヶ月の家賃は100~300万円
- TVCMの放送単価は、月間で最低5千万円
- ネット広告の出稿は全て大手広告代理店経由(つまり中抜かれ放題)
- 上場住宅大手の平均所得は、積水ハウス802万円、大和ハウス工業918万円
- 住宅はマニュアルがある分社内規制が多くできない間取りも
こんな会社を経営している方は、大変だなと思います。当社の場合は、社員に800万円という所得はまだ約束できません。多くの工務店さんも社長はともかく、社員で800万円、900万円取っている人間はいても数えるぐらいだと思います。
それから、性能も中途半端、使っている材料も規制があります。
現在、大手ハウスメーカーは、ZEH前後のUA値0.6程度の断熱性能と、長期優良住宅が取得できる耐震等級2を標準にしています。
また。構造も大臣認定で型式を取得している企業が多いので、自由設計という触れ込みですが、間取りの自由度が制限されているケースもあります。
また、フロアーなどは大手の企画商品が比較的多いので、完全自然素材という家づくりには対応できていません。
更に、組織が大きいのでノルマが厳しいのが特徴です。
先日もTwitterに書かれてあったのは、3社競合で、施主が中小工務店に決定したあとで、大手が500万円の値引きを訴えて連絡してきたという記述がありました。
皆さん、100万円ぐらいの値引きはできると思いますが、500万円値引くと赤字になる工務店さんも多いのではないでしょうか。それだけ、数字を追いかける癖がついているのが大手ハウスメーカーさんの営業ですね。
大手か工務店か
工務店でお仕事されている方は、それは工務店の方が良いとおっしゃるでしょうが、やはり大手で建てたいと考えるお客様も一定数いらっしゃいます。
大手は、品質も安定していますので、割高でも安心を購入するという方には良い選択肢だと思います。
中小工務店は、よくよくおわかりだと思いますが、このジャンルで戦う方が良いでしょう。
- 完全自然素材
- 超高性能住宅
- ローコスト 1棟1800万円以下
- 超こだわりの家 建具、キッチンなと全てオリジナル
あるいは、これらのミックス戦略ですね。
今までのように、普通の住宅を普通に建てていてもお客様は全然ついてこなくなりました。
また、自然素材住宅に関していえば、断熱、耐震がイマイチの自然素材住宅は、もう売れません。自然素材=健康住宅といって売っている工務店さんが散見されましたが、根拠に乏しいと思います。
価格帯的には、2500万円以下。このゾーンでは大手がほとんど存在しません。3000万円を超えてくると大手が沢山いますので、建物3000万円を超える場合は、大手との差をしっかり出すべきだなと思います。
大手と同じものが安く手に入るという戦略は、間違っています。大手を買う人は、価格を買うわけではなく、安心やネームバリューを買っているわけです。
因みに、地方に行くと準大手という企業があります。
北海道の土屋ホーム、本州のヤマト住建、岡山中心のイシンホーム、埼玉の桧家住宅、かんな社長のアキュラホームなどなどですが、これらはお客様に取っては、大手の信頼感と中小工務店の価格戦略を持った企業です。
これらの企業とは、安心感ではなかなか勝てないですし、価格でも勝負できなくなっているので、個人的にはデザイン力がない場合は、超高性能住宅のジャンルが戦いやすいのではないかなと思っています。
今日は、大手と中小工務店の棲み分けみたいな話を書いてみました。
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