経営コンサルタントの頭の中61
差別化ではなく独自化
来年2021年に向けて、これからの住宅業界を考えてみました。
もしかしたら、5年ぐらい前と住宅建築に関しては何も変わらない提案をしているとしたらかなり不味いと思います。
現在、コロナ禍にあってお客様は自宅にいる時間が長くなって、WEB検索する時間も増えましたし、YOUTUBEに関しても見る時間がかなり増えました。特に子供のYOUTUBEの視聴時間はテレビに匹敵するかそれ以上になっています。
付き合っている奥様のYOUTUBEに関するリテラシーはかなり高まっていますね。だからといってYOUTUBEをして下さいというわけではありません。
それに伴って、お客様の住宅に対する住宅収集力は格段に上がってきています。
また、一条工務店の売り上げですが、4000億円を超えてきていまして、現在の供給力の限界まで来ています。
大手の他社はコスト、仕様のバランスと収益に着目して経営をしているようですが、一条工務店は、性能一点張りで、一点突破を図っています。
そして、工務店に関しては売りを一旦見直す時期に来ているのかなと思います。
これまでお客様がたくさん来ている会社は急ぐ必要はありませんが、ちょっとお客様が減り始めたなという工務店様はメッセージを変えないと問題がありますね。
そのため、お客様の頭なの中をちょっと整理してみました。
目覚めるお客様たち
これまでの顧客は、圧倒的に提供者(工務店)優位の中で戦ってきました。
我々は建築のプロ、住宅ローンなどの金融のプロとして、何も知らないお客様をどんどん啓蒙するという立場に立っていました。
マスコミは、『ビフォーア&アフター』や『建物探訪』などの番組がありましたが、特定の住宅にスポットライトを当てることに終始して、一般論として住宅を語る事はほとんどありませんでした。
ところがインターネットでの状況がお客様の情報収集を徐々に変えて、YOUTUBEがその変化を後押ししています。
先月お伝えした、松尾設計室の松尾先生のYOUTUBEだけではなく、実は保険や蓄財に関しても専門のYOUTUBERが登場して、エンドユーザーに真実として、新しい事実を伝えています。
勉強会を何度もさせていただいて思うのは、若い方はほとんど保険に入っていません。それは、お金が無いからという側面もありますが、保険が無駄だという情報をどこからか獲得しているわけです。ちなみに、勉強会では保険は無駄だという話をしていますが、やっぱりという感じで話をされる方が少なくありません。
つまり、お客様は皆さんのセールストークは、全部知っていると思って過言ではありません。
その上でこの会社の知識や家づくりはどの程度なのか
なのかを瀬踏みしていると思って過言ではありません。
家に関しては興味が無い、住まいは持ち家であれば何でも良いという方は、全て分譲住宅に行ってしまうと思って良いと思います。
理由は、商品が目の前にあって、価格が明快だからです。注文住宅は、いくらなんだか解らないですし、最後の最後までいったいくらになるのか、お客様は解りません。そして、地方でも分譲住宅はどんどん増えています。
見直すべきメッセージ
これを踏まえると、お客様に発信するメッセージを一新しないと不味いです。
まず、お客様に提供するべき住宅の性能をはっきり明示する。これは絶対に必要です。
これまでは、そこをぼやかしている工務店が沢山見受けられましたが、そんなものはもう通用しなくなります。
ですから、当社は耐震性はこの数値、断熱性能はこの数値で、できれば冷暖房負荷はこのぐらいの数値を目標にしている。あるいは、標準にしているという数値での標準値に変えるべきです。
更に、その数値の根拠が必要になります。30代のお客様が60歳、70歳、80歳になった時にどんな暮らしをして欲しい、だからどんな家を建てるというのが明確になっている必要があります。
実際の建築費の他に、かかる費用が全部表現されている住宅というのも今後は必要かなと思うのですが、いかがでしょうか。誰か僕にWEBを作らせて下さい。