エコ住宅に関しての大手の動向
今月はエコ住宅に関して、情報を入手できている大手の動向についてお伝えして参ります。
一斉にエコ住宅を始める飯田グループ
まずは、業界最大手の飯田グループの動向です。飯田グループは、一建設、アーネストなど各社がそれぞれに独自に商品を企画して、販売しています。
しかしながら、住設メーカーなどは飯田グループとして扱いますので、現在の実行予算は30坪で650万円を切っているといわれています。
そのため、発売価格は1,200万円以下でスタートしても、最終的に900万円で販売しても収益が30%以上上がる構造になっています。
そして、この会社が現在一斉にエコ関連のエンジニアを採用しているという情報が伝わってきています。
大手ハウスメーカーがZEHグレードを標準にしていますので、飯田グループも一斉にZEHを標準にしてくることが考えられます。
このタイミングで、全館空調、全館熱交換型の換気を導入してくる可能性が多分にあります。大手の全館空調+全館熱交換型の換気システムのターゲット価格は1棟あたり50~70万円を狙って、100万円程度の販売価格という事になると思います。
飯田グループがこれらを投入してきた場合、分譲住宅の最低グレードがZEHまで引き上がります。つまりその時には、大手ハウスメーカーはそれより上にシフトしてくるという事になるのです。
ZEHは、建売なので安物という認識になり、大手はUA値0.45前後のHEAT20のG2グレードを目指す展開になる事が考えられます。そのため、我々もそろそろ準備が必要です。
全館空調が注文住宅の標準に
そうなると、注文住宅は安物(ローコスト住宅以外)は、全館空調が当たり前の建物になってくることは確実です。
桧家住宅の『Z空調』はそれを見越して、工務店需要を取り込もうとしているのです。
ただし、先日お知らせしたとおり10年後には機器の交換を断念した『Z空調』を取り付けたお宅で、壁掛けのエアコンを取り付けるという漫画のようなことが起きるでしょう。
住宅ロ-ンに紛れて解らなかった高額の機器が交換となると一括で出ていくわけです。壁掛けのエアコンは5万円から高くても15万円で交換できるのに、『Z空調』の空調ユニットが20万円以上すると、修理を断念する層が確実に出てきます。
全館空調を安く提供できる技術を身につけることが今後は必要となってくるというわけです。
なお、全館空調を投入する場合は、断熱はZEHグレードではなく、どうしてもUA値0.46のHEAT20のG2グレードになってきます。
その場合の標準仕様は、CW断熱の場合は壁75mm、屋根は150mmぐらい+樹脂トリプルサッシぐらいが標準になってくると思われます。
充填がグラスウールの場合は外張り断熱が必須になるでしょうね。そうなった時に、慌てないように早めに対応を検討いただきたいと思います。
他社の動向については、今後もしっかりと情報提供して参ります。