UA値競争に巻き込まれないために
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年10月27日の日本一わかりやすいエコ住宅の作り方ブログ第102》》》
UA値競争ってご存じですか?
いつも使っているこの表を見てください。
当然なんですが、UA値というのは下記のグラフのように連続した数値になります。
そして、当然なんですがこのグラフでいえば右に行けば行くほど高性能な住宅であるとお墨付きがもらえます。
そして、これまで人類はこれらの競争から逃れられずに来ました。
これまであった競争というものには例えば、
- 馬力競争 一時期、自動車工業会が自動車は280馬力という規制をかけていました。
- クロック競争 PCのCPUのスピードを競って高性能なものをつけることが流行りました。
- ネットの速度競争 ISDNから、ADSL、さらに光通信が一般的になって、今度はギガレートが一般的になりました。
耐震等級などは、等級3までですので、達成したらそれ以上の競争にはなりにくいです。実際は、評点が1.5以上どんどん上げられるので余地としては可能性がありますが、耐震等級をあげすぎることに意味はありません。
ですが、建物の外皮性能は、どんどん上げると快適性が上がるといっている一条工務店のような会社があると、どうしたって競争になります。
UA値競争の実際
大手でこれに参加しているのは、今のところ一条工務店とタマホームでしょうか。
一条工務店は、ご存じのようにウレタンボードでダブル断熱の仕様が市場で一番の性能です。UA値は6地域でも0.27以下になります。
そいて、タマホームは主力商品である大地の家でUA値0.37という数値を表明しています。
このほかに、アイフルホームもいつの間にはG2が標準になっているということです。まあ、R+ハウスもG2が標準ということで、両者ともUA値は0.46ということになりますね。
また、新住協は、Q1住宅ということでUA値競争と一線を画していますが、これも実際の建物はG2程度、最低必要なので、0.46程度はあります。
また、パッシブハウスジャパンの認定パッシブハウスは、UA値でいえば0.25程度は必要になります。彼らは外皮性能に関して決まりはないのですが、所定の冷暖房負荷を満たす住宅というとUA値はどうしてもG3である、UA値0.26前後を狙わないと条件を満足しないのです。
このほかに、早田さんがYOUTUBE 頑張っているウエルネストホームもUA値的には0.3を切ってきているようです。
このように、外皮性能だけの表現はしていないものの、実態はかなりの高性能な住宅を建設しているグループが多数出現しています。
UA値競争に巻き込まれないために
ただ、UA値を追求することには本来意味がありません。
パッシブハウスジャパンや、新住協が主張するように、エネルギー消費量が小さく、なるべく太陽からの恵みを十二分に生かした住宅にする。
そのために、必要最小限の断熱性能、外皮性能をどこに置くのか?という主張をすべきなんじゃないかなと思うのです。
というのも、以前書いていますが、G2の住宅とG3の住宅で同じ間取り、同じ窓のサイズで比較を下記のブログで書いています。間取りは福島の工務店さんのものなのでちょっと載せられませんでした。
結論から言えば、光熱費にはすごく大きな差はありません。
何が違うか?といえば、間欠暖房したときの室温が2度ぐらい違います。
その2度をどう考えるか?ということを真剣に考えることなく、UA値競争をしても仕方ないと思っています。
ということで、UA値競争をするのではなく、どのレベルの外皮がお客様にとってコストと快適性が一番あって、建築コストも安いのか?というのを見極めて伝える。
これが工務店本来のあるべき姿であり、UA値競争に巻き込まれない最高の方法かなと思います。
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