本当にトリプルは必要なのか? 2
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年9月21日の断熱ブログ第74号》》》
UA値は、どう変わる?
ペアサッシとトリプルサッシでのUA値の変化がこんな風になります。
今回の建物は、120平米です。完全にモデル的にシミュレーションをしたので、正直ちょっとあり得ないサイズです。
6mx10mのメーターモジュールで1Fも2Fも60平米です。
窓の配置は、東西北面の窓は小さく、0.5平米以下。南面は大きな掃き出しを配置しました。
このあたりの配置、レイアウトでも建物全体のUA値が変わります。
今回は、あくまで当社のシミュレーションでの計算という事になります。
必ずこうなるというよりも傾向を捉えて貰えば良いかなと思います。
壁、屋根、床の断熱仕様はこんな感じです。
壁 高性能グラウスール 100ミリ
天井 高性能グラウスール 200ミリ
床 高性能グラウスール 50ミリ
まあ、シミュレーションですので当社が扱っている商品では一番一般的な断熱材にしてみました。
窓は、3種類シミュレーションしてみました。
ドアは共通で、U値 2.91w/m2K
複合ペア アルミ樹脂 U値 4.07w/m2K
樹脂ペア APW330 U値 2.91w/m2K
樹脂トリプル APW430 U値 1.60w/m2K
この数値は、JIS基準値です。
これをメーカーが出している自主判定基準で計算するともう少し小さい値になります。カタログ値は、APW430は、U値が0.9というものもある事になっています。
アルミ樹脂複合 ペア UA値0.76
樹脂ペア APW330 UA値0.65
樹脂トリプル APW430 UA値0.55
これをみると、樹脂アルミ複合が、4等級より少し良いレベルだったのが、トリプルをいれるだけでUA値が0,2程度よくなりました、3割減という感じでしょうか。
条件は色々だと思いますが、窓を変えるだけでUA値が3割近くよくなるというのは火なりのインパクトですね。
では、光熱費はどのぐらい変わるのか?
お客様は、UA値を求めているわけでは無くて、生活した時の光熱費と、快適性を求めています。
ですから、UA値で満足するのでは無くて、光熱費までシュミレーションしてあげるのが重要かなと思います。
では、行ってみましょう。
これが、樹脂アルミ複合の場合
PAW330の場合は、こんな感じ
そして、APW430の場合は,こうなります。
こんなのをいちいち見比べられないので差だけお伝えします。
光熱費のうち、差が出るのはたった2点。
冷房費と暖房費です。
計算条件としては、LDKと主寝室の2台のエアコンです。LDKのエアコンは暖房用。主寝室のエアコンを主に冷房用で動かします。
この時に、UA値に合わせて冷暖房のキャパが変わります。暖房のエアコンは14畳用で同じサイズですが、冷房用はUA値0.76が14畳用ですが、UA値0.65が10畳用、UA値0.55が8畳用で充分でした。
年間暖房費〔ペア比較〕 | 年間冷房費 | 冷房用エアコン | |
UA値0.76〔複合ペア)~ | \53,002 | \14,595 | 14畳用 |
UA値0.65(APW330) | ¥51,591〔7%減〕 | \12,466〔15%減〕 | 10畳用 |
UA値0.55(APW430) | \48,222〔9%減〕 | \11,189(25%減) | 8畳用 |
表にするとこんな感じです。
金額は年間でも1万円も差が出ません。8千円あまりです。30年経っても25万円ほどですから元は取れると思いますが、大きくゲインはありませんね、
と言う事で、個人的にコスト重視の建物はペアでも良いのかなと思った次第です。
何でもかんでもトリプルというのはどうかなと思いました。ただし、これは東京でのデータで、寒い所は別ですからね。
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