冬はぜひ使いたい窓からのエネルギー
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年8月4日の断熱ブログ第30号》》》
窓から入ってくるエネルギーは膨大
サーモグラフィーってご存じですか?
8月3日のブログでも書きましたが、サーモグラフィだとその面の温度を測ることができます。
例えば、こんな日が当たっている床の写真があったとして、この床の温度は何度ぐらいなんだろうと思うじゃないですか。
(思わないかもしれないですけど。)
その場合は、この写真の赤外線の放射量をセンサーで測定することで温度分布を色で会わらすことができます。
例えば、こんな感じですね。
ちょっとセンサーの大きさによって上の写真との画角が違いますが、同じ角度での写真です。
この画像は、2021年の2月28日に撮影した床下暖房が入っている建物の写真です。
見ていただくとお分かりですが、きちんと日光が差し込んでいるところは、およそ30度になっています。
この床の温度は、日光が差し込んでいる間ずーっとエネルギーが届いています。
このエネルギー量は、かなり膨大です。
太陽は、1平米あたり1.37kwの熱エネルギーが地表に届いていると言われています。これは理科年表に乗っている数字なので、これを使って太陽光発電や、太陽熱発電は計算されています。
これは太陽が真上に来た時の垂直面積でのエネルギーなので、実際は角度がついているのでこのエネルギーがかなり減っています。
太陽高度が30度だとすると、垂直な壁への到達エネルギーは、√3/2でおよそ86.6%にもなります。
さらに、ペアガラスを通ってくるので、ここでかなりエネルギーが減ってきます。
YKKAPのAPW330の遮熱low-eに日射取得率(η)は、0.32、断熱low-eは0.51になります。
これをかけると入ってくるエネルギーが計算できます。
簡単に計算すると、例えば3平米の掃き出し窓だとすると、こんな感じですね。
遮熱low-eの場合 3平米x0.32x0.866x1.37kw/m2=1,139w
断熱low-eの場合 3平米x0.51x0.866x1.37kw/m2=1,815w
これが、午前10時ぐらいから午後3時ぐらいまで5時間ぐらい受けるので、
遮熱low-eの場合だと1,139wx5時間 ⇒ 5.7kwh
断熱low-eの場合は、1,815wx5時間 ⇒ 6.9kwh
ぐらいの熱が入ってきます。
ちなみに、冬はこんな感じで、夏ももうちょっと高度が高いのですが、日差しがある期間がかなり長いので、多分ほとんど差がないと思います。
掃き出し窓が1か所でこんな感じですので、掃き出し窓がたくさんある住宅とっても有利ですね。
例えば以前に登場した、こんなおうちの場合は、掃き出しが6か所あるので掛け算になりますよね。
このお宅が日射取得型の断熱low-eの窓だったとすると、毎日40kwhの太陽熱が住宅に降り注ぐことになります。
この写真は以前も掲載しましたが、当社で断熱の施行と冷暖房負荷を計算させて貰いました。
その上で、取材もさせてもらっているのですが。奥様がおっしゃっていました。
『冬は、朝8時半か、9時には暖房を一切止めています。そして、再度つけるのは日が落ちる夕方5時以降です。』
どうしてか伺うと
『だって、エアコンつけていると部屋が暖かすぎるから』
だそうです。
真夏は、このすごく大きなエネルギーが窓から入ってきますので、何とか防がないと厄介なのですが、真冬はこのエネルギーが建物を温めます。
ちなみに、このお宅は、エアコン1台で建物全体を暖房しているので、真冬でもポカポカです。
ちなみに、断熱性能はUA値にすると0.37ぐらいです。つまり、UA値だけ見ると6地域の場合は、HEAT20のG2以上になります。
ということで、かなり快適な住宅になりました。
夏は、この窓からエネルギーが入っていきますので、きちんと太陽光を遮り工夫が必要ですね。
それが、庇や、シェードになりますが、今回はとりあえず冬に入っているエネルギーを考えてみました。
このような計算もきちんと当社ではさせてもらいますので、必要に応じて断熱などはご相談くださいね。
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