断熱とエネルギーの関係に迫る!《シミュレーション編》
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
2021年7月19日の断熱ブログ第14号
断熱とエネルギーの関係についてお伝えします。今日は5回目です。一旦今日でおしまいです。ご一読いただいた方に感謝します。
良かったら前の号からおよみください。
前号ではソフトウエアのご紹介をしました。
正直、今後工務店はシミュレーションでできないと不味いと思っています。理由は工務店こそが暮らしを提案すべきだと思っているからなんです。
でも、いきなりは無理だと思うので、いろんな専門家がいますのでご相談ください。当社にご相談いただければシミュレーションはさせて貰います。
4等級とG2
以前書きましたが、現在当社は、水戸市で断熱改修リノベーションを行っています。
この建物は、EXハイパーという構造用合板を使って、築50年以上と古い建物ながら、構造の評点で1を超えました。つまりは新耐震基準に対応させた建物になっています。
中古の建物は、新耐震基準にならないと住宅ローン控除を受けられないので、ある意味それだけで価値はあると思っています。
そして、この建物を目指せG2でやっていたのですが、ちょっと足りませんでした。なんとかG1は越えられました。というのもこの建物が建っている茨城県水戸市というのは5地域になっています。
5地域のUA値はこんな風になっています。
因みに、6地域はこんな感じです。
今回の建物は、UA値が0.40w/m2Kになりました。この数値は自主判定基準の数値なので、普通に計算するとUA値が0.42w/m2Kになります。この数値は6地域では軽くG2を超えるのですが、5地域ではG1をギリギリ越えたぐらいの数値になっています。
それだけ、5地域は寒いのですが、おかしいのは断熱等級の4でして、5地域も6地域も同じ0.87w/m2Kとなっていて気候がかなり違うのにおかしいなと思います。
ちなみに、日本で夏に比べて冬に亡くなる方が多いのは、いずれも5地域の栃木、茨城、山梨になっていまして、このあたりが関係するんじゃないかなと思っています。このあたりは別な機会に考えを書いてみたいと思います。
とにかく、今回は茨城県水戸市という5地域で断熱等級4である、UA値0.87w/m2KとUA値0.42w/m2Kでの比較を行ってみました。
条件をそろえる
今回は、条件をそろえるために、室温を元に検討してみました。
特に冬場なのですが、室温を23度になるように設定してみました。このとき、UA値が0.42w/m2Kの建物は運転しているエアコンが1台で問題なく全体を温められますが、UA値0.87w/m2Kだとエアコンは4台必要になります。
このときの電気代が下記のようになります。
UA値0.87w/m2K+エアコン4台
UA値0.42w/m2K+エアコン2台(1台運転)
簡単に冷暖房費だけを抜き出すとこんな感じになります。
年間冷房費 | 年間暖房費 | 年間電気代 | 年間電気代 | |
UA値0.87 | \15,329 | \126,375 | \141,704 | ¥310,938 |
UA値0.42 | \6,469 | ¥51,119 | \57,588 | ¥196,115 |
差額 | ¥8,860 | \75,256 | \84,116 | \114,823 |
つまり、断熱性能を上げるだけで1年間に10万円以上の電気代を減額することができます。
これを住宅ローン完済まで35年間住むとすると、1万円×12か月×35年=420万円も節約できることになります。
UA値を0.87から0.42にするために400万円以上かかれば経済的メリットはあまりありませんが、工務店の場合は、うまくコストダウンできている会社なら200万円ぐらい、どんなに高くても350万円以内でできる工事かと思います。
つまり、断熱性能を上げた方が圧倒的に得をするということがご理解いただけると思います。
このようなシミュレーションは色々できるので、是非とも皆さんもシミュレーションができるようになると説得力がある提案をお客様にできるのではないでしょうか。
是非、トライして欲しいですし、出来ない人はお問い合わせいただければと思います。
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