地域区分 5地域の不合理

こんにちは。

今日もご覧いただきありがとうございます。

株式会社MXエンジニアリングの湊です。

さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。

2021年7月20日の断熱ブログ第15号

今日は、この間から考えている地域区分と温熱の性能について考えてみます。

毎度、真面目な話題が恐縮です。根っからの文才のなさが災いして楽しい話題が書けません。ご容赦くださいませ。

そのうち研鑽をつんで、もうちょっとユニークな話題と視点を提供できるようにしたいなと思っております。

地域区分

今年から新しい地域区分が発表になったというのはご存じでしょうか。

地域区分とは、国土交通省が気候風土に合った住宅などの建築を行うために、日本の気候をアメダスデータに基づいて8つの地域に分けていることを指します。

北海道東部は1地域、西部が2地域、北東北が3地域、南東北が4地域、北関東などが5地域、人口の半数以上が住んでいる大都市圏が6地域、南九州が7地域、沖縄が8地域になります。

そして、もちろんですが高度が高い等が原因で周りから寒い、あるいは温かいエリアは調整されています。

例えば今年から軽井沢は3地域から2地域に変更になりました。ただし、どうもこれまでの4地域が減って、5地域、6地域になっているエリアが拡大しています。

今後は5年ごとにアメダスデータを元に変更が加えられるそうです。実際に地球温暖化が進んでくると当然ですが、温かいエリアが増えると思います。

また、温暖化の過程で気候変動の幅が大きくなりますから、今よりも寒くなるエリアもあるかもしれませんね。

地域区分に対応する温熱等級

それぞれの地域区分とそれに対する温熱等級をまとめてみました。申し訳ないのですが、1地域と8地域の表は割愛しています。

この表には6地域が含まれていないので、6地域を別な表をつけておきますね。

工務店の皆さんはご存じの通り、国土交通省が定める温熱等級には1~4があります。1と2は古すぎるのと、数値が低すぎるのでこの表には載せていません。

そして。温熱等級3もかなり古い上に数値が低すぎます。実は温熱等級4も世界的に見ると驚異の低水準になっています。

この水準はドイツなどでは人間が住む建物としての建設許可が下りないレベルですが、欧米のみならず、中国や韓国でも新築として、基準値以下の建物になっています。

HEAT20の数値も参考に並べています。G3に関してはまだ正式発表では無いと思いますが、一応公開されているので掲載してあります。

参考にしてください。

注目すべきは、5地域と6地域の数値なのです。

5地域と6地域の矛盾

6地域の温熱等級3が UA値1.54w/㎡K相当、温熱等級4が0.87w/m2K、ZEHが0.6w/㎡Kです。

そして、5地域の温熱等級3が UA値1.54w/㎡K相当、温熱等級4が0.87w/㎡K、ZEHが0.6w/㎡Kです。

ただし、ZEH+は6地域が0.5w/㎡Kなのに対して、5地域は0.4w/㎡Kになっています。

つまりは、ZEHも3等級、4等級も基準が5地域も6地域も同じなのに対して、実際の気候風土はかなり違うということなのです。

6地域の代表的な都市は、東京、名古屋、大阪、横浜、神戸、京都と名だたる大都市圏がならびます。

そして、5地域の代表的な都市は、水戸市、宇都宮市、高崎市、富山市、新潟市などかなり寒い地域がならんでいます。

水戸市、宇都宮市、高崎市はそんなに寒くないのではないかと思われると思います。確かに夏の気温は東京に比べて、そんなに低くありませんが、問題は夏の気温ではなく、冬の最低気温なのです。

調べてみると、5地域の1月の最低気温は、宇都宮市が-4℃、高崎市-3℃、水戸市-3℃、富山市-5℃となっています。

これに対して、東京の真冬の最低気温は、2℃です。大阪市1℃、名古屋市1℃、京都市0℃、神戸市2℃になっています。

となっていて、明らかに5地域の都市は寒いのです。

5地域は寒いのですが、温熱の基準が6地域と同じであれば、当然地元の工務店さんは4等級あれば充分と思う方も少なくありません。

お客様も『当社は政府基準の最高等級で建てています』と言われたらそれ以上追求しないと思います。

その結果として、このよく皆さんがご存じのように5地域の主要な都道府県で、冬に亡くなる方が増えるというデータになっています。

出展:IBEC 健康住宅・建築最前線より
https://www.ibec.or.jp/GBF/doc/sem_05th_16.pdf

このグラフを見ると栃木県、茨城県、山梨県の3県は主に5地域に人が多く住んでいます。本来は住宅をもっと高断熱にしておけば、亡くならなかった命が6地域と同じにしていたため亡くなった可能性もあるわけです。

もちろん、人間の寿命は建物の室温だけには左右されませんが、冬の室温の変化も小さければ小さい方が血圧も、コレステロール値も安定するという報告が多数出ています。

このあたりは機会を改めてお知らせしたいと思うのですが、健康住宅を売りにしている工務店さんが4等級程度で住宅を建てているのを見ると、それって本当に健康住宅難でしょうか?と突っ込みたくなりますよ。

健康=血圧安定して、コレステロール値も安定している事だとすると、実は室温についてもしっかり検討しないとお客様を健康を害する住宅を提供するということにもならないと思っております。

断熱屋のポジショントークかもしれませんが、真剣にそう思っております。 メルマガは下記からお申し込み下さい。こちらも毎日書いています。(^_^;

    Posted by 湊 洋一