結露をおこさない為にするべきこと
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年8月21日の断熱ブログ第46号》》》
あなたの窓枠は何度になると結露するのか?
設計士というのは、一級建築士か二級建築士か木造建築士のことを指すと思っています。
立派な国家資格ですよね。
しかもかなりの難関資格ですよね。。
私は3流大学で電気工学科というところで、電子やモーターの振る舞いなんかをいじいじとやっていたので、建築とは全く別の学問でした。
ですので、建築士の問題集を見ても、全く答えがわからない事がありました。
有資格者は凄いなと思っています。
そんなことはさておき。
大学の理系の学科を出た方や、高校で物理を取った方はなんとなく覚えているかもしれませんが。
熱力学とか、エントロピー増大の法則。
そんなあたり。
僕も学問の名前だけは覚えていますが内容までは覚えていません。
ですが、結露するかしないかは、そんなに難しい学問ではありません。
たった1つのグラフが読めれば良いだけです。
それが、湿り空気線図と呼ばれるグラフです。
グラフ自体はこんな感じです。
ググると沢山ダウンロード先が出てきますが、このグラフは東京都のホームページで見つけました。それがここです。
この一番上に書かれている曲がった線(飽和曲線)が露点といわれる線です。この線の左側に来ると空気中の水蒸気は、水として出現します。
これは、水に塩を溶かして行くみたいな感じで思っていていただけるとイメージしやすいですが、温度が高ければ高い方が空気中に含む水蒸気量は多くなります。
その説明がこの図になります。
つまり、この上に向けて湾曲しているのが相対湿度一番左上に出てくる線が100%の線です。次が、90%、80%となって一番下の線が10%です。
そして、横軸が室温を示します。
このグラフを読んでいくと、こうなります。
僕が赤字で落書きしている所ですね。
室温が20度で湿度50%の時の絶対湿度は7.5g/kgほどあります。
これが、空気1kgに含まれている水分量です。
そして、20度、50%の点から、まっすぐ左に線を延ばしていくと、10度を少し下回った点で、相対湿度100%を超えます。
つまり、20度で、相対湿度50%の空気は、そのまま室温が9度になると確実に結露し始めるということが解ります。
絶対湿度はここでは出てきませんが、感覚として絶対湿度を身につけると夏冬での空気中の水分量を絶対値で理解できるので便利です。
そして、この結露する点のことを露点(結露点)といいます。
この露点こそが、窓の表面や、窓枠の表面にうっすらできる結露のメカニズムの正体です。
つまり、室温20度、相対湿度50%の空気ですが、窓の表面や窓枠が10度を超えていれば結露は起きないということも理解できます。
この湿り空気線図を使えば誰でも、現在の室温、相対湿度で何度まで下がると結露するのか?予測が付くことになるのです。
東京都のサイトですので、良かったら気兼ねなくダウンロードして使ってみてください。
この現象は、とても単純な物理現象ですから、地球上のあらゆる場所で、誰がやっても全く同じ現象が再現できます。
皆さんも結露したら、この図の露点を温度が下回ったんだと思っていただければ良いです。
経験でものを考えると
ですが、文系の方々の中では経験で物事をお話になる方がたまにいらっしゃいます。
最近ではこんな方がいらっしゃいました。
これは、僕がたまに覗いているSNSのハウスメーカーさんと施主をつなぐ交流サイトのやりとりです。
これまで述べたとおり、結露には、温度と湿度以外の数値は全く関係がありません。
ですから、結露とC値(隙間相当値)には全く相関がありません。科学的に別物です。
隙間があって、そこから室内よりもはるかに高い湿度の空気が吹き込んでくる等の特殊な条件だと、結露する可能性はもちろんあります。
ですが、C値が低い、つまり建物の気密を上げても、結露の元になる相対湿度の高い空気がやってこない限り結露の心配はありません。
このような文章は、よく知らない素人さんはスルーしてしまいます。
プロが言っているんだから、そんなものかなと思うからです。
ですが、ちょっと知的レベルの高い施主にこんな事を伝えた途端に、この人は何にも解っていないなと笑われます。
実際にTwitterでホンの一時期話題になっていました。
物理現象は、その原理があります。それを調べないで経験だけで言い切るのは危険ですね。
気をつけてください。
結露は良いところが何もない
結露すると、カビやダニが発生しやすくなります。
ダニはある程度高い温度でないと大量発生しませんが、カビは比較的低い温度でも繁殖します。
ましてや最近は気密も高く冬でも暖かい室内が沢山あります。
また、壁内のグラウスール等の繊維系断熱材に水分が付くと、黒いカビが発生します。
そして、木材に結露が起こると腐朽菌といって木材を腐らせる原因になります。
カビやダニの死骸を人が吸い込むとアトピーなどの激しいアレルギー反応を起こす原因になる場合があります。
ガンガンお湯を沸かしたり、一時的にお風呂の湯気が入り込んで結露したというのは、短時間ですから大きな問題はないです。
でも、冬の間中に壁がじっとり結露しているという建物はその寿命を極端に縮めますので注意が必要ですね。
今日は、断熱には直接関係ない結露現象について書いてみました。
でも、とても重要なことですので、ご理解いただければ幸いです。
皆さんも家づくりの時は気をつけていただきたいと思います。
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