熱交換換気システムが必要か?2

こんにちは。

今日もご覧いただきありがとうございます。

株式会社MXエンジニアリングの湊です。

さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。

《《《2021年7月28日の断熱ブログ第23号》》》

換気システムの中でも熱交換

熱交換が必要かどうかは、2つの要素で決まります。

  1. 工務店さんが売りやすいか?
  2. お客様が得をするか?

まずは、売りやすさですね。

熱交換型の換気システムは、どんな物でも安くて25万円ぐらい、高いと50万円ぐらい。更に高級なスウェーデンあたりの高級機だと200万円以上します。

これはあくまで、工務店の実行予算なのでお客様への提供価格はもっと高くなります。

つまり、安くて40万円弱、高いと80万円。更に、輸入のガデリウス、システムエアなどの北欧の製品は250~300万円もの費用を請求することになるわけです。

そして、その見返りはお客様にとっては熱回収ということになりますね。

冷房で涼しくした熱を捨てるのはもったいないとか、せっかく温めたのに換気で捨ててしまうなんて暖房費が無駄になるというところが、熱交換型の換気システムを導入するポイントかなと思います。

実際に、経験があると思うのですが、一般的な3種換気だとせっかく取り付けた24時間換気システムが定期訪問に行くと止まっているということが有ると思います。

現在のようにコロナ対策などがあって、二酸化炭素濃度などが気にされている事態になるとなおさら、24時間換気が止まらずに動いていないといけないのです。

熱交換型の換気システムであれば、お客様が寒いから、あるいは暑いからと言って換気システムを止めてしまうということは起きません

その点でのメリットは確かにありますが、この点だけで50万円もの費用を支払って貰うというのは、高級なお客様だけかも知れません。

一般的には、予算ギリギリで、50万円でも余裕があれば、ちょっと広くしたいとか、キッチンのアップグレードとか、太陽光パネルをつけるとか、リビングを漆喰や珪藻土などの塗り壁にするとかしたいと思うからです。

熱交換型の換気システムはどれだけ経済的か?

そこで結局当社得意のシミュレーションになるわけです。

先日からお伝えしている水戸の物件のシミュレーションを作ってみました。

4等級の場合(UA値0.87w/m2K)

熱交換型の換気システムありなし差額
年間暖房費\127,687\139,967\12,280
年間冷房費¥21,681\19,958\1,723
年間換気費¥24,944\14,854¥10,085

冷暖房費では、1.4万円ほど安くなりますが。換気費が1万円ほど高くなると言うシミュレーションです。

これは、換気システムのモーターが交流の場合の結果だと思います。これが今主流の直流モーター(DCモーター)に変えると5千円以上電気代が安くなります。

結果として、1万円前後が熱交換型の換気システムをいれた方が安くなるというわけです。

機器の寿命が15年とすると15万円光熱費がコストダウンになりますが、50万前後かかる機器代金を回収する事は難しいと思います。

HEAT20 G1(UA値0.42w/m2K)

熱交換型の換気システムありなし差額
年間暖房費\38,864\51,119\12,255
年間冷房費¥7,229\6,469\760
年間換気費¥23,193\13,827¥9,366

基本的にもこちらもほぼ同じ結果になっていますね。

つまり結論としては、年間の光熱費を考えると熱交換型の換気システムの果たす役割というのはそれほど大きくなさそうです。

このあたりは熱交換型の換気システムのメーカーからも色々意見を聞いてみたいと思いますが、シミュレーション上は経済的なメリットは確認できませんでした。

ただし、やっぱりつけた方が電気代は安くなりますので、資金的な余裕がある場合はつける。ない場合は諦めるというスタンスが良いのかなと思います。

また、海外製の100万円以上する機器を取り付けるのはよほどこだわりがある場合を除いては必要ないですね。

今日はこの辺で。

シミュレーションによってはつけた方が経済的という場合も作れるのかなと言う感触ですが、有り無しではそれほど大きな差は出ない様です。

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Posted by 湊 洋一