窓サイズと数の考え方
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年9月17日の断熱ブログ第71号》》》
窓の考え方
窓というのは、建築基準法上は4つの規定があります。
それが、この4つです。
『採光』
『換気』
『排煙』
『避難』
基本的に窓の無い居室というのは、可能は可能ですが、余り勧められません。
なお、換気は換気装置が義務づけられたので、そちらを満たす事で常時換気できなくても問題ありません。避難と排煙は階段までの距離や、排煙装置で解決できます。もちろん、無窓居室というのは理論上成り立ちますが、防火などの対応がややこしくなります。
建築基準法上の採光は、床面積の1/7の面積が必要です。換気で必要な面積は1/20という事になっています。採光ですので、きちんと外から光が入ってくる必要があります。
採光だけですと、
8畳であれば、1.9平米
6畳であれば、1.42平米
これだけのサイズが必要です。全部FIXにしてしまうと、換気の1/20が満たされないので当然ですが、きちんと開く窓と、FIXなどを組み合わせます。
腰窓ですと幅が一般的な1650サイズで、考えると、8畳だと高さが1200ミリ、6畳サイズだと900ミリになりますので、これ1つつけておけば、基準法を満たす事になります。
この場合、どの方位につけるか?
腰窓1つなんて外観のデザインがかっこ悪くならないか?ということで、最近はFIX、縦滑り、横滑りの窓の使用がどんどん増えています。その方が気密が良くなると言う要因もあります。
窓から入ってくるエネルギー
平米あたりの窓から入ってくるエネルギーは、こんな感じになります。
太陽定数 1.37kwh/平米 x cos45度 x 断熱low-e 0.51 = 0.50 kwh/平米
平米あたり500wのエネルギーが入り込みます。
これは断熱low-eの時の、太陽高度45度ぐらいの場合です。窓によってこの日射熱取得率(ηA値〕が異なります。夏と冬でも異なるので、必要であれば正確な数値を算出してください。
詳しくは、下記にも書いてあります。
そして、冬の太陽エネルギーは取り込む方が良いです。
パッシブ設計の会社の住宅の南面に掃き出し窓が列んだ設計が多いのは、これが理由です。
冬の太陽高度は最大でも32度ぐらいなので、太陽光を遮る建物が無い場合は、45度よりもよく多くのエネルギーが入ってきます。
逆に、夏は太陽高度が75度以上になるので、庇があれば真夏の昼間の太陽というのはそんなに入ってきません。
ですが、明け方、夕方の日差しが飛び込んでくるような窓は、しっかり太陽光をブロックしないと、平米500w以上の熱が入ってきます。〔理由は太陽高度が低いので、入射エネルギーが大きくなる〕
そのため、夏に朝日や西日が直接入ってくるような窓はつけない方が良いでしょう。
松尾設計室の松尾先生におっしゃっているのは、東西北面の居室の窓サイズは0.5平米以下にする。南面は耐震に問題ないレベルで極力大きく取るという設計ルールがあります。
その上で、東西北面の居室のは、夏のエネルギーが入ってくるのでしっかりとブロックするというのが快適な住宅の条件になります。
このような事を考えながら窓の位置やサイズをしっかり検討して、最後にデザイン面けんとうまで行わないといけません。これをしっかりやりきれば、外観のすっきりしたデザインで、快適性の高いエコな住宅のプランが完成します。
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