今後の住宅行政はどうなるか?

こんにちは。

今日もご覧いただきありがとうございます。

株式会社MXエンジニアリングの湊です。

さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。

《《《2021年7月30日の断熱ブログ第25号》》》

今後の住宅行政はどうなるか?

先日、7月27日にかねてからお伝えしている『第13回 再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース』が行われました。

https://www.youtube.com/watch?v=aOnjSssE7zQ

ご覧になるには上記のYOUTUBEのURLからご覧いただけます。

今回の会議は、構図的にこうなっています

1.内閣、政府としてはパリ議定書の公約を何とか遵守したい

そのために、2020年年末に菅総理が表明した『2050年にカーボンニュートラル』を達成したい。

2.そのためには、日本全体のCO2発生量を極限まで押さえ込まないと難しい。

河野大臣は、内閣の一員として達成するための道筋を任期中につけたい。

東大の前准教授や有識者は、この背景を使って何とか住宅行政を、世界標準に近づけたい。

3.国土交通省としては、明らかに省外からの指導的な発言に困惑しつつも、これまでのスケジュールを変えることなく行政を進めたい。

変えたくない国交省

    VS 

変えたい河野大臣と有識者チーム

という構造です。

ある有識者の意見

個人的にはいよいよ国土交通省の抵抗むなしく、断熱性能の義務化や強化に動くのかなと思っていました。

そして、たまたま今日ですが昼食で、この業界では著名な学者の先生とお話しをする機会がありました。

その方は、国土交通省の委員を歴任している方です。

たまたま、この先生を含む大学の建築系の先生3人と会食をする機会があったのです。

この方は、2つの問題点をおっしゃいました。

  1. 義務化を進めるためには今のUA値以外に簡単に判定する方法がないと難しい。
  2. スピードは結局、国土交通省のペースで進む可能性が高い。

1.簡易判定

この簡単に判定する方法というのが、現在も存在する温熱等級4の簡易判定法ですね。

これをもっともっと簡単にする方が良いというご意見のようでした。

これはこの方のご意見というよりも、国土交通省のことをよくご存知の学者の先生だから解ることだと思います。

2.義務化のスピード

河野大臣は残念ながら、9月にはその役を解かれることになるかもしれません。

菅総理ももしかすると退任するかも知れません。

そうなると、ここで残るのは有識者と国土交通省だけになります。

今回のタスクフォースは、河野大臣の肝いりで発足しており、河野大臣がいなくなると終了する可能性は否定できません。

また、有識者は国土交通省にとっては、自分たちの行政への圧力でしかありません。

ということで、このあたりはいわゆる官僚(役人)vs現場ということで、なかなかスピーディーな改革というのは難しいのではないかなと感じられます。

正直に書くと、国土交通省は自分のペースで改革を進めたいと思っているでしょう。

いずれ義務化にはなると思いますが。

なかなか有識者の重いどおりにはなりませんし、カーボンニュートラルの達成よりも国土交通省の独立の方を取るつもりなのかもしれないです。

国土交通省の限界

では、どうすれば良いか?といえば。

国土交通省が単独で住宅行政を進める現状を変えないとなかなか現状の変更と行政決定の仕組みは変わりません。

国土交通省は、日本のありとあらゆる規則を決めています。

道路行政、土木、治水、住宅等の建築物、航空、海運など

非常に幅が広いですが、どれも最低基準や規制をもとに行政を進める省庁です。

つまりは日本全体の最低基準を決めるのが仕事なんですね。

なので、義務化等ということはできるだけしたくない訳です。

義務化すると、達成しているか検証が必要になります。

その場合は、きちんと監督する組織と運用が現状以上に強化されるわけですね。

現状のように、温熱性能の説明義務を課すだけであれば、あまり強力な監督の必要がありません。

これまでの建築士の業務の中で運営ができます。

この枠組みを変えるには、大臣の権限や内閣の発言で強制力を働かせる北風戦略だとなかなか上手くいきません。

そうではなく、国土交通省自身に達成目標を課すことが必要になります。

つまりは、カーボンニュートラルが政府、あるいは国として目標なのであれば、これをきちんと文章として、省令にすべきです。

そして、達成しない時はマイナス評価をする。

逆に、達成時にはきちんとご褒美を渡す信賞必罰をセットに考えないと難しいと思います。

これは、財務省令に書かれている『財政の健全化』が日本全体の成長以前に最終的に緊縮財政を生んでいることから解ります。

国土交通省が省としての目標に『カーボンニュートラルの達成』をいれないとなかなか行政は変わらないのではないですね。

民間主導のカーボンニュートラル

正直なところ、この行政のゲームチェンジには、大きな期待ができません。

もちろん、国土交通省内部には、問題意識がある方がいらっしゃいますが、省全体としては大きな変化は難しいと思っています。

こうなったら、我々建築業界全体として、勝手にはじめる以外にないわけです。

既に意思がある工務店さんははじめていますが、業界全体として大きな変化を生んでいけば良いのかなと思います。

個人的には、まずはHEAT20の普及と認定から始めると良いと思いますので、機会があったら坂本雄三先生に提言してみようと思います。

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    Posted by 湊 洋一