超高性能住宅に打ち勝つ工務店のシナリオ
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年8月27日の断熱ブログ第52号》》》
超高性能住宅に打ち勝つ
先日の福島の工務店さんは、結局UA値0.48の住宅で建設する事になったそうです。
競合には、一条工務店以外にも、地元の超高性能をうたう新住協、PHJ(パッシブハウスジャパン)などの強敵がいたそうですが、問題なく勝てたとのこと。
当社の提供しているシミュレーションも少しは役に立ったということで、同社のシナリオをそっくり送ってくれました。
今日は、大阪に出張中でじっくりブログを書く時間が取れなかったので、このシナリオを当方で編集させていただき、参考用に公開させて貰います。
今後、工務店の皆さんは、W断熱でUA値0.25前後の工務店さんとも戦う機会が増えるでしょう。ということで、性能が高くて、省エネで売ってくる競合への対抗手段をしっかり打ち出さないと不味いですよ。
昨日の『UA値だけでは大きく変わらない 一条工務店攻略法』と合わせて読んでくださいね。
皆さんも競合対策で使ってくださいね。
実際のシナリオは、シミュレーションありき
まずは、どんな性能はどのぐらいの数値かはつかんでおく必要があります。
それがないのに、必要ないとか、無駄だといっても、お客様は、負け犬の遠吠えに聞こえます。勝てないからいっているんだろうと思うのです。
なので、シミュレーションをしっかしてそれを元に提案してくださいね。
では、実際のシナリオを見ていきましょう。
これは、福島の工務店様からいただいた、来月から着工するお客様とのエピソードです。(一部MXにて編集)
A様は・・・大手ハウスメーカー、地元工務店など超高性能な住宅会社6社の中から当社を選んでいただきました。
一条工務店さん以外にも、超高性能住宅の工務店さんはUA値が0.3を切る位の性能を提案されているようでした。窓が極端に少なく単純な立方体だったと思います。
UA値を突き詰めると、もちろん性能は上がりますがコストも上がります。
当社では、性能とコストと光熱費のバランスを考えています。
最初に基本となる事実をお伝えします。これは、当社の◎◎年の建築の実績と数十社を超える他県の工務店さんと交流から解ったことですが
「断熱性能が上がれば上がるほど快適な生活が送る事が出来る…訳ではない」という事です。
私は5年以上前に当時室蘭工業大学の教授の鎌田先生の講座を受けていました。
当時先生がおっしゃっていた事は・・
「ZEH基準(5地域では0.6)をクリアしていれば、人間が感じる快適性はそんなに変わるものではない・・・」というお話でした。
もう、今となってはかなり昔ですので、私は現代の基準に合わせて
ZEH基準からさらに数値が20%ほど高性能のHEAT20 G1に基準を上げて、
「G1基準をクリアしていれば、人間が感じる快適性はそんなに変わらない」と考えて建築を行っています。
実際に、それでお客様にお話を伺うと真冬でも寒さを感じない温かい住宅になっているということでした。ご希望されれば、当社のお客様をご紹介する事も可能です。
理解しやすい様に、僕の好きな車で例えてみます。
4,576万円で566馬力のランボルギーニ アベンタドールでなくても・・・
国産スポーツカー260万円の130馬力のマツダロードスターでも高速道路を200kmで十分に走る事ができます。 なにも300キロ出る必要はありません。
そもそも100キロが制限速度ですから、捕まったら一発免停ですしね。
ただ世間には4,576万円出してもランボルギーニに乗るんだ!と言うお金があって、大ファンもいらっしゃいます。
ですので、どんな家を買うのも、どんな車を買うのも自由ですよね。
要するに、住宅においてはUA値がG1基準の0.48を切っていれば快適性は殆ど変わらず光熱費が幾分下がるだけ。
それ以上の性能追及はランボルギーニと一緒で自己満足の世界になるのかな~と私は思っています。
ここからは、大切なお金の比較をしてみます。
A様は施工床面積35坪で住宅本体工事額が2,500万円(キッチンはかなりこだわりました、サッシは樹脂トリプルガラス)です。
そこにミーレ食洗器、エアコン2台、エコキュート、ソーラーフロンティアCis太陽光発電4.37kWの計248万円プラスの2,750万円が契約金額です。
この内容でUA値が0.48の丁度G1基準です。
住宅ローンはフラット35の1.28%(団信付き)で81,270円です。
1年間の光熱費は、当社のシミュレーションにより年間78,796円です。
これは太陽光パネルの発電量を抜いた数字です。
これが1年間なので、月々6,566円です。
ここで100万円のコストアップで付加断熱(工法)を採用すると、UA値が0.36になります。
契約金額が、2,750万円+100万円=2,850万円
この場合住宅ローンはフラット35の1.28%(団信付き)84,220円です。
1年間の光熱費は76,334円。
1か月平均にします6,361円
簡単に言えば、HEAT G1の建物に断熱材を追加してG2に性能を上げると
1か月の電気代は205円減りますが(6,566円-6,361円)
住宅ローンは2,950円増えます。(84,220円-81,270円)
まとめますと、
100万円余分に描けてG2基準にしたとしても、快適性はあまり変わりません。
毎月の支払いは、光熱費が200円減って、住宅ローンが2,900円増えます。
つまり、お金の話だけ考えるとあまりメリットはない事になります。
念のため、一条工務店さんの使用した場合の光熱費をシミュレーションしてみました。
月平均の光熱費は、5,820円でした。つまり700円ぐらい電気代は原案よりも下がると思われます。
ですが、たった700円、年間1万円を節約できたとして、300万円違えば回収に300年かかります。実際はもっと大きな差になると思います。
ここまで具体的にお伝えして、
「私はやっぱり一条工務店さんの超高性能住宅が好きです」とおっしゃるのであれば、
とお考えであれば、もちろん選ぶのはこれから家づくりをするあなた様です。
もちろん当社のできるだけのお手伝いはさせていただきます。
基本的に決めるのはお客様
ランボルギーニを買って乗っている人にプリウスが好きな人がバカだなとは思わないと思います。また、フェラーリが好きな社長も、普段乗っているのはアクアだったりしますからね。
人間は、必ずしも合理的な判断をするとは限りません。
もし選んで貰えなかったら、どこから信頼を損なう行動をしていたのかもしれませんね。
ということで、ある工務店さんのセールスシナリオを拝見しました。
ご参考に!
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