断熱材に技術革新が遅い理由 2
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアングの湊です。
さて、今日も工務店さんの役に立って、元気になる記事を書いていきます。
《《《2022年9月20日 日本一わかりやすいエコ住宅の作り方ブログ第420号》》》
新しい材料
断熱材の新しい材料に関しては、海外からの情報を獲得するのが一番です。
断熱材に関しては、日本では残念ながら新しい材料の開発は望めません。
理由はマーケットの広さです。
日本は精々1億人前後のマーケットしか望めませんが、欧州の場合は、欧州+アフリカ+中国まで望めます。
米国の場合も北米+中南米と大きなマーケットがあります。
日本もアジアが背景にはありますが、日本と東南アジアの関係は対等です。
北米+中南米や、欧州+アフリカというのは、かなり政治力というかコントロールが効きます。この力関係はなかなか変わりません。
ということで、欧州の場合はだいたい10から20億人の人口。アメリカも、10億人ぐらいの相手ができるのに、日本だと精々2から3億人にしか商売ができない上に、韓国も、台湾も日本以上の工業国です。更に、中国はほとんどの材料を自国で作れるようになっていますから、中国に日本から建材を販売していくのは、難しいのです。
真空断熱材(VIP)
そして、私が初めてドイツのBAUメッセに行き始めた頃に気がついた材料があります。
それが、真空断熱材です。

英語では、VIPといいます。バキュームインシュレーションパネルの略ですね。バキュームは吸引、インシュレーションは断熱、パネルはお解りでしょう。文字通り、真空で吸引した断熱パネルです・
制作方法は、フィルム中を真空状態にして、熱圧着してパネル状態にします。
真空になると熱を伝えない事を使ったパネルです。
熱伝導率が、0.001~0.002w/mK 前後です。つまり、GWの20倍ぐらいの性能なのです。
真空に引いたときに、芯になるものは固形物が必要なので、グラスウールかシリカが使われています。
しかしながら、この材料は全く普及しませんでした。
理由は価格もあるのですが、真空状態が破壊されると性能が落ちるからです。
建築現場で釘やビスはボードを固定するのに使わざるを得ないものです。
ところが、釘やビスで穴が空くと性能が落ちるといわれると使えません。
ということで、価格が下がる前に、売れないので撤退した企業が多いです。
その他にも弱点はありましたが、真空断熱材については、この辺で。
明日は、エアロジェルについて考えて行きます。
また、メルマガも頑張って毎日書いています。お申し込みは下記からお願いいたします。
