断熱材に技術革新が遅い理由 3

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株式会社MXエンジニアングの湊です。

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《《《2022年9月22日 日本一わかりやすいエコ住宅の作り方ブログ第421号》》》

エアロジェルの発明

エアロジェルという素材があります。

1931年にシリカ(ケイ素)を使ったエアロジェルが開発されました。既に開発されて、100年近く経過しているので、全く新しい材料ではありませんが、実際には実用化に至っている例はごく僅かです。

その中で、シリカエアロゲルは非常に低い熱伝導率(およそ0.017 W/m·K)を持ち、優れた断熱性を示す。融点は1,200 ℃。

つまり、建材としてはとても優れた特性だという事になります。

低い熱伝導率と高い耐熱温度。

ところが、そうでもない事実もあります。

触ると発泡スチロールのような感触がある。一軸方向にやさしく押しただけでは跡を残さないが、強く押すと元に戻らないへこみを生じる。十分に強く押すとガラスのように粉々に崩壊する。壊れるときは粉々になる一方で、自重の2,000倍もの重さを支える強度をもつものもある。曲げに対しては非常に脆く、すぐに折れる。

つまりとっても脆いのです。

これだと建築後20年、30年と形を保ちません。

ということで、実用されているのは、窓の断熱化ぐらいです。

これは、日本でも国内の会社が生産しています。

◆エアロジェルの今後

およそ10年前に、日本のウレタンメーカがエアロジェル入りのウレタンを発表しました。しかし、その後の続報が一切ありません。

エアロジェルはとてもいい特性があるのですが、不味い問題もあります。

それは価格です。

エアロジェルは、1kg10万円以上します。

そして、単体では使えないので、何かの断熱材に混ぜて塚しか方法がありません。

唯一窓だけは、単体で使えますが、透明ではなく、乳白色なので明かりは通すのですが、景色は見えなくなります。

シリカエアロジェルの比重は、1.9 mg/cm3で水のおよそ1/530ですが、1立米にすると、1.9kg/立米です。つまり、1kgというのは50cmx1mx1mぐらいでして、これが10万円以上します。

混ぜて使っても、元々の熱伝導率にはなりませんから、その意味でもわざわざ高いものを混ぜることにあまり意味が無いのでしょう。

外を眺める必要が無い窓や部分断熱用の建具など限定的中津用になるのではないでしょうか。

明日は、自然素材系の新素材を見ていきます。

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Posted by 湊 洋一