断熱材の選定ガイド 3日目
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年10月6日の断熱ブログ第86号》
繊維系
グラスウール
ロックウール
羊毛断熱・ポリエステル断熱
セルロースファイバー
木質系・ウッドファイバー
ウレタン
100倍発泡ウレタン
50倍発泡ウレタン
30倍発泡ウレタン
断熱ボード
フェノールボード
ウレタンボード
ポリイソシアヌレートフォーム
ポリスチレンボード
ウレタンはどれを選べば良いのか?
ウレタンについては、我々はよく理解しているので、まとめてお伝えしていきます。
一般的にウレタンといえば、100倍発泡ウレタンということになります。
2液を混ぜて現場で発泡させて施工するウレタンは、日本アクアという会社が、中心になって普及させました。
当社も日本アクアさんと取引しようとしたのですが、この会社はかなり日本のウレタン会社から恨まれているのですね。
このあたりの裏話は余り知られていないので、お伝えしていきたいと思います。
日本アクアの創業者である中村社長は、イノアックというウレタン原料メーカーの社員でした。そこから、自社で原料調達から、施工まで一手に引き受ける日本アクアを一代で立ち上げたことになります。
はじめの頃は施工する職人がいないので、マンションやビルの断熱施工を主にしていた業者を中心に依頼をしていきました。その時に、全く新しい住宅市場を開拓するに当たって、ウレタン業者との施工契約を行っていきました。この契約がくせ者で、住宅向けのウレタンは日本アクアとだけの専属契約としてのです。
元々住宅向けは全く市場が無かったので、施工業者は気軽にサインして行きましたし、出資もして行ったそうです。ところが,思いのほか早く市場が立ち上がると同時に価格競争になっていきました。
ご存知のように日本アクアさんの価格は大手には,驚くような低価格で入り込みます。施工業者がついて行けなくなって、アクアとの取引を断念し始めると、住宅業界のウレタンは日本アクア独占のような状態になったそうです。
中村社長がやり手だという噂は聞いていましたし、このような契約は違法でも何でも無いのですが、日本アクアとつき合うのなら、うちはMXエンジニアリングとはつき合わないといわれたことが数回あります。
100倍発泡ウレタンは、連続気泡ということで価格的には比較的安価でグラスウールに次ぐような価格帯で施工が可能です。熱伝導率0.034w/mK程度と性能もほぼ同じです。
ただし、大工が断熱施工をしなくていい、気密は比較的良くなるなどのメリットがあることで一気に普及しました。
結局当社は,日本アクアさんとの取引を諦めて、現在に至ります。当社の場合は、主にソフランウィズさんと、イノアックさんの材料で施工を行っています。
当社のウレタンは30倍発泡ウレタンをメインに使っています。これは100倍発泡ウレタン寄りも性能値で1.5倍性能が高いです。初期熱伝導率が0.021w/mKという数値のウレタンで、透湿抵抗値も100倍発泡ウレタンの4~7倍とほとんど湿度を通しません。
ウレタンは燃えるという方がいらっしゃいますが、ウレタンは防火認定の為の燃焼試験をみていると、溶ける感じですね。高温で溶けて,最終的にガス化するのですが燃焼する事はありません。
当社ではこのウレタンを使った30分の防火認定度、45分の準耐火構造の認定を取得しております。特に、45分の準耐火は,当社独自の認定となっておりますので都市部でも安心して使っていただけます。
なお、C値に関していえば、ウレタンだと基礎パッキンで床に特段注意を払わなくても0.5程度は確実にですことが可能です。
手軽に高気密高断熱住宅を建てるのには良い断熱工法ではないでしょうか。
因みに、イノアックという会社が唯一50倍発泡という基準のウレタンを発売しています。これは30倍発泡の発泡倍率を調整して作っているもので、物性は30倍発泡ウレタンに準じます。熱伝導率、硬さなどは30倍発泡そっくりです。
価格が少し安いのが特徴ですね。
断熱ボード
ボード状断熱材は沢山の種類があります。
しかし、そのほとんどは床用での採用がまだ多いようですね。ネダレスで床に落とし込んで使うとか、基礎断熱の基礎内断熱に使うなどが多いと思います。
そして、EPSというビーズ法ポリスチレンフォームとネオマフォームだけが,比較的多く活用されていますが、付加断熱用途が多いかもしれません。
当社では、ウレタンでのつながりもあって、ポリイソシアヌレートフォームの取り扱いがあります。このボードは、サーマックスというイノアックのボードと、アキレスのQ1ボードの2社のみの取り扱いです。
断熱性能はとてもたかく、熱伝導率が0.021w/mK程度の性能が出ます。
両者とも50ミリの厚さで平米2000円前後と高いのか安いのか良く解らない水準ですね。
柱、梁などを上棟して、大型パネルを耐力壁として組み立てる、大型パネル工法には、これらのボード状の断熱材が多く使われます。今後は職人不足もあって、ウレタンの現場発泡とこの手の大型パネル工法もどんどん増えると思われます。
ネオマフォーム、フェノバボードなどのフェノール系のボードも熱伝導率0.020w/mKと断熱材の中では最高峰レベルの数値をたたき出しています。
特にネオマフォームに関しては、契約を行うことで非常にやすい価格を提示してくれるという評判になっています。年間50棟以上の工務店さんは,検討対象になりますので、超高性能を目指す方は活用をトライしてみると良いかもしれません。
この契約を行った場合の価格は、平米単価で1500円かそれ以下と噂されています。一度是非とも茶連指定みることをお勧めします。できれば当社にも価格を教えていただけると嬉しいです。
明日は、その他の変わった断熱材について触れておきます。
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