高断熱が選ばれない?
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年8月23日の断熱ブログ第48号》》》
高断熱住宅は高い!?
高断熱、高性能になると、どうしても建物の金額が高くなってしまいます。
これまで、1,800万円ぐらいで引き渡していた建物が、2,000万円、2,200万円と引き渡し価格がどんどん上がっていきます。
ただでさえ、ローンがギリギリなので、その場合は高性能化を諦める場合が散見されると聞いたので、僕なりの解決法を考えてみました。
まず、高断熱かでどのぐらい価格UPするかというと?
温熱等級4 UA値0.87⇒HEAT20 G1 UA値0.56の場合
窓+断熱材UP
ほとんどZEHと同じですが、窓を思いっきり上げる+壁と屋根をちょっと上げる事で対応できます。
窓は、サーモスH⇒APW330 に変更ぐらいでしょうか?
この場合は、1棟あたり20万円~30万円UPになるかもしれません。
LIXIL⇒LIXILの場合はサーモスXに変える、エルスターSに変えるという必要があるわけですが、エルスターSは、気密が取りにくいと聞いたことがあります。
詳しくは解りません。
サーモスH⇒サーモスXの場合も価格差20万円前後で収まるのではないでしょうか。
断熱材ですが、グラウスールの場合は、壁を24Kに変更して、天井を200ミリ以上にします。
16Kの高性能を既にお使いの場合は、24Kにしても性能そのものはあまり上がりません。なので、そのままで良いでしょう。
天井は100ミリ、150ミリを、現状の2倍にしてください。
この場合のコストアップ費用は、やはり20~30万円の価格UPですね。
トータル40~60万円のコストアップになります。
これはウレタンの場合や、その他の断熱材の場合色々ありますが、いずれの場合も経験上100万円以上コストアップになる例はほとんどありません。
ということで、お客様へのコストアップは100万円前後ということになるでしょう。
これが5地域は温熱等級4のUA値0.87をHEAT20のG2で、UA値0.34にするというのであれば、250万円ぐらいコストUPになるので、300万円とか、350万円お客様のコストアップしてしまいます。
これが高いといっている原因かなとも思うのですが。。。
正直なところ、100万円UPであれば、住宅ローンにすれば、2,800円前後です。これが高くて売れないというのであれば、住宅そのものを売るのもかなり大変だなと思っております。
高いけど、高くない
ただし、この2,800円は高くないんです。
以前にも書きましたが、新潟県上越市で温熱等級4UA値0.87の建物と、UA値0.42の建物を比較してみました。
こっちが、UA値0.87の場合の年間光熱費
HEAT20 G1 UA値0.46
似たように見えるグラフですが、総額で比べると一目瞭然です。
温熱等級4 UA値0.87の場合
年間光熱費 302,204円 ⇒ 月額平均 25,184円
HEAT20 G1 U0.46の場合
年間光熱費 210,478円 ⇒ 月額平均 17,540円
その差額は、7,644円です。
これは住み始めた初月からかかります。そして、そしてその建物を壊してしまうまで延々とかかり続けます。
毎月7,644円ですから、270万円程度の価値があるわけです。
(7,644円 ÷ 100万円あたり2,800円 =273万円)
本来であれば、光熱費が273万円分下がって、その投資が100万円とか、150万円であれば選ばないというのはあり得ません。
合理的な判断とはいえません。算数ができないとしかいえませんよね。
我々プロはそう思ってしまいますが、お客様は必ずしも合理的な判断をするとは限りませんよね。
そのために、トークがとても大切になってきます。
お客様が納得して選んでいただくために
お客様からYESを勝ち取らないと、契約もいただけませんし、高断熱住宅にもなりません。
ということで、ここではYESを勝ち取る簡単な戦略をお伝えします。
これだけが正解というわけではなく、このように持って行くことが可能だということですね。
初期段階:基本的な誰でも判断できる内容にYESをもらう
例えば、家づくりにおいて絶対に大切な事は、お金です。 YES
そして、当然ですが同じ家なら、高い家を安い家を比べた時に買うのは安い家です。 YES
でも、安いからと言って、地震が来たら壊れたり、今のアパートより寒い家はいやですよね YES
中間段階;これで本題に入ります。
今現在のアパートの光熱費はいくらぐらいですか?覚えていますか? 金額を聞く
通常、新しく家を建てると電気代は増えます。だって、建物の大きさが大きくなるから。
その時に、節約して暑い中エアコンを止めるとか、寒いけどコートを着て生活するのは嫌じゃないですか? YES
実際に、シミュレーションを当社でしてみました。
その結果、温熱等級4の家は年間光熱費が◎◎万円で、月額◎万円です。
HEAT20のG1の家はこんな感じです。
もちろん、あくまでシミュレーションです。この通りになるか解りません。
ですが、同じ条件で算出しているので傾向はご理解いただけると思います。
建物の価格が同じだとしたら、どっちが良いですか? 普通はG1といいます。
最終段階:これで最後のYESを獲得する
では、実際の建物の価格ですが温熱等級4は◎◎◎◎万円、HEAT20 G1の家は◎◎◎ます万円です。
重要なのは、建物の価格ではなく、住宅ローン+光熱費です。理由は、両方とも住み始めたら毎月必ず支払うことになるからです。
その結果、温熱等級4の家のローン+電気代は、◎◎万円で、HEAT20 G1の家の住宅ローン+光熱費は◎◎万円です。
どっちが良いでしょうか?
ここでは、HEAT20 G1の家の方が安くなるのであれば、素直にこの通りで良いでしょう。きちんとステップを踏んで説明をすれば、そこまで頭が回っていなくても、お客様はにみすみす損をさせずに済みます。
HEAT20 G1の家の方が支払いが高くなってしまった場合は、素直に温熱等級4の家でも良いと思いますが、2030年になったらZEHが義務化される可能性が出ているので、どう考えても時代遅れになっちゃいますね。
ということで、今日はこの辺で。
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