断熱のベネフィット 高齢者対策 《健康編3》
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年9月4日の断熱ブログ第60号》》》
家を建てたら何年住みますか?
こんな質問に100人の方に答えて貰いました。
この調査そのものに大きな意味はありません。ですが、住み続けたいのが1/3、引っ越ししたい(いずれか、直ぐかは不明)のが2/3でしたね。
ただし、これは賃貸住宅に住んでいる人の感想です。賃貸に住んでいて永住が1/3もいらっしゃるのが驚きですね。
さて、当然ですが住宅ローンを支払っている持ち家の場合は、住宅ローンの支払い途中に引っ越すというのは、転勤か、離婚などのライフスタイルの大幅な変更以外に余りありません。
たまに、ライフプランも何も無いギリギリの住宅ローンで、破綻みたいな話も聞きますが、そんな冒険者は極々一部です。
つまり、ほとんどが最低でも住宅ローン完済まで住み続けるだろうと想像されますよね。
この場合は、住宅ローンスタートの年齢が35歳の場合は、35年ローンを組むと完済時に70歳になります。
もっとも70歳までずーっとローンを払わないで繰り上げ返済するともっとローンが早く終わりますが。
何が言いたいかというと、購入時若いご夫婦も、完済時にはかなりの高齢になります。
そして、その間メンテナンスはすると思うのですが、大がかりなリフォームをするか?というと、キッチンとか入れ替えとか、いわゆる生活面で使うものはメンテしても、構造とか、断熱、気密などの性能部分を徹底的に改造するという方はほとんどいらっしゃらないのが、経験上いえることです。
高齢者に多発する溺死
家の性能が、健康を通り越して、生命の危機になっているのがこんな事です。
2020年の11月に消費者庁が勧告を出しているこんな内容です。
この通達は、平成20年代から10年以上にわたって毎年11月に発令されています。つまり、一切改善していないということになります。
実際に死者数の推移はこのぐらいです。通達をダウンロードしてみて下さい。
交通事故死者数が、飲酒運転の撲滅、高齢者の免許返納などで令和元年にとうとう2,500人前後に減っているのにかかわらず、高齢者が自宅の浴槽で溺死している人数は5千名前後と、あれだけ騒がれているコロナウィルスでの死者数と比べても決して少なくない人数がなくなっています。
これが、高齢者がほとんどということは、今30代、40代のこれから家を建てる層にとっては、本来無関心でいられないはずですよね。
もっというと、冬に寒い家は高齢者ほど危険だということはご理解いただけるのでは無いでしょうか。
実際に夏と冬と比べると亡くなる方の差はこんな感じです。これは溺死だけでは無いのですが、傾向は見て取れると思います。
この溺死者が多いという現象は、日本だけの出来事です。世界では起きていません。WHOの死因を調べているとこんなデータが有りました。
『WHO Global report on drowning: preventing a leading killer』
https://www.who.int/publications/i/item/global-report-on-drowning-preventing-a-leading-killer
このデータは、2014年に発表された溺死に関する世界調査です。日本は8,999名、韓国は1,518名、スゥェーデンが175名、米国が4812名。ドイツが165名となっています。
これを人口比に直すとこうなります。
実は日本以外には、世界には入浴の習慣がある国というのはほとんどありません。欧米だけではなく、中国も、韓国も基本はシャワーで終わりです。
それにしても、韓国の2倍以上、ドイツに至っては35倍の差は大きいと思います。
入浴の習慣が、この数字を生んでいるともいえますが、あのお風呂の気持ち良さを捨て去るのは日本人にとっては辛いことですよね。では、どうすれば良いのかというと。
◆とにかく、真冬でも15度は守る
作り手の我々としては、長い間健康で、幸せに家に住んでいただくことが目的のはずです。35年後は、この読者のほとんどの方はこの世にいないか、それとも生きていても現役では無いと思います。
ですが、それだけの先を見通してでも、将来問題の起きない住宅を建てて行くというのは、絶対的に必要な事なのでは無いかなと思います。
そのための、HEAT20の基準があるので、是非ともG2レベルの家づくりに取り組んでいただきたいと願っております。
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