全館空調18度設定で室温26度はあり得るのか?
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店の役に立って、元気になる記事を書いていきます。
《《《2021年12月30日の日本一わかりやすいエコ住宅の作り方ブログ第166号》》》
室温26度?
先日、Twitterを見ていたらこんな記述がありました。
大手ハウスメーカーの全館空調で設定温度が18度以下にしていたのに、窓際の温度計が朝24度、夜26度を示しているということ。
これに突っ込みが入っていました。
この方は北海道の札幌近郊で大手ハウスメーカーで全館空調付きで住宅を新築して、Twitterの住宅新築予定の方からいろいろ突っ込みが入っています。
この方は女性なので、実は断熱などはそんなに深い知識はありません。更に、この住宅は北海道なのに、UA値が0.4前後とそれほど高性能ではないため、工務店で超高性能の住宅を建てることを目的としている家づくりアカウントから総攻撃を受けています。
一時期はコメントが多くてツイートを非公開にしていたぐらいです。
この一連の動きは面白いですね。工務店関係者はあまり登場せずに、いわゆる施主同士で話が展開していきます。
今日は、これがあり得るのか?検証していきたいと思います。
UA値0.4として
UA値0.4の場合の熱の逃げ方を考えます。
1階の床面積が40平米、総2階で、壁の面積が160平米だとすると、建物全体の表面積は240平米になります。
壁160平米+床40平米+天井40平米=240平米
この場合は、UA値が0.4w/m2kなので、1時間あたり1度温度差があると0.4×240平米=96w逃げることになります。
この建物が全体の平均が22度ぐらい、外気温が0度の時には、温度差が22度ですから、96wに22度をかけ算すると、
2000w程度の熱が壁全体から逃げていくことになります。
これを補ってやれば、温度の維持は可能です。
更に換気ですが、この建物の場合は全館空調+熱交換型の換気システムが入っています。
一般的に換気システムの公称効率は9割ですが、実質は零度近くなると効率が8割を切ってきます。
80%の熱交換効率として、おおよそ1時間あたり2500~2700wを住宅に加えると日射取得なしても温度が維持できます。
これは壁から逃げる熱しか計算していませんが、外気温が0度付近でもエアコンが1台ずーっと回っていれば、なんとかなるレベルですね。
暖房費は、平均して1時間2.5kwhエアコンが回っていた場合は、北海道は電気代が高いので、1kwhあたり32円として計算すると、1時間あたり80円、1日320円、1ヶ月9,600円かかることになります。
暖房費としてはかなり優秀ですね。
これはエアコンの効率がかなり低めの場合の計算値になります。
また、もちろん気温がもっと下がることもあるでしょうから、金額が上ぶれする要素もあります。また、全館空調の熱源がエアコンなのか?温水なのか?によっても異なります。
ちなみに、設定温度が18度以下で24度を維持しいてるのは、ちょっと機器が建物に対して大きいのではないでしょうか?ギリギリで計算しているのではなく、スペック的に余裕率がありすぎますね。
ちなみに、北海道では燃料代をケチるよりは、とにかく室温を上げることが重視されるそうですから、道民の願いを形にしているだけといえなくもないですね。大手ハウスメーカーの場合はそのように考えていそうです。
今日はTwitterから考えてみました。
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