真空断熱材VIPについて

すでに、パンフレット等でご案内しておりますが、
VIP(真空)断熱材について、簡単にご説明させていただきます。

名称のVIPというのは、Vacumed Insulaion Panel の略です。

これは単に真空に吸引した板状断熱材という意味ですので、名詞としては一応完結しています。
ですから、VIP断熱材というのはおかしいのですが語呂が良いので、使っております。

作り方はとても簡単で、真空断熱材専用のグラスウールやシリカ(シリコンの原料)
という鉱物資源のパウダーを板状にしておいて、外を真空断熱材専用のフィルムで包んで、
真空にポンプで吸引して作ります。

真空度は、食品でよくある真空パックと原理的には同じものです。
また使っている装置もよく似ています。

特徴は、優れた断熱性です。
当社が扱っているVIP断熱材は、熱伝導率(λ)が

0027 W/(m・K) となっています。

これは、ネオマフォームの0.020W/(m・K)と比べると、およそ7.5倍の性能になります。

高性能グラスウール16Kの場合は、0.038W/(m・K)ですので、およそ14倍になります。

つまり、外断熱でないと達成できそうになかったQ1住宅、HEAT20で勧めている
Q値1.9程度の住宅なども充填断熱だけで簡単に達成できてしまいます。

ということで、これからの住宅には不可欠な断熱材になると考えて
いち早く商品として取り入れました。

この断熱材は、家庭用、業務用の冷蔵庫、自動販売機などに積極的に活用されており
トップメーカーの日立、パナソニックなどでは、既に熱伝導率が0.001前後のものが
生産されているそうです。

この断熱材により、冷蔵庫の庫内が圧倒的に広くなりました。
冷蔵庫も以前はウレタンをメインで使っていました。

もちろん、この断熱材にも弱点はあります。
大きく2つの弱点があるのです。

・真空パックが破れると断熱性能が急速に落ちます。

真空にする事で断熱性能を上げているので、フィルムが傷つくことを避けてください。
また、芯材がグラスウールの場合は、厚さが2倍程度にゆっくり膨らみます。

・周辺部分が熱橋になります。

真空性能を上げるためにアルミ箔をフィルムに接着されているため、
どうしてもパネルの周辺部分は熱橋になります。

そのためあまりに小さい部分は、真空断熱材を使わない方がいい場合があります。
熱橋部分はパネル周辺の50mm程度といわれています。

これらの弱点のため、真空断熱材を使う住宅の場合は、こんな工法になってしまいます。

在来工法+構造用合板、あるいは2x4

つまり、VIPを貼り付けるための下地のボードが必要になるのと、
筋交いはVIP断熱材貼り付けの邪魔になるので、使わないことが条件になります。

建築のための作業そのものは難しくはありませんので、
どなたでも手軽にトライは出来る工法です。

9月以降に実際の見学会を行う予定です。
ご案内いたしますので、是非ご来場ください。お待ちしています。

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Posted by 湊 洋一