冷暖房費のシミュレーション

別のブログに、『お客様に損をさせる低断熱の住宅』という項目に書きましたが、現在の住宅の外皮性能は、UA値という値で比較できるようになっています。

UA値というのは、U値の平均値追い意味です。AはアベレージのAです。

単位は、W/m2・Kという単位になります。単位や用語は難しいのですが、説明は単純明快です。

1平方メートルあたりの壁、屋根、窓などから逃げるエネルギーをw(ワット)で表しています。この建物全体での平均値がUA値と言うことになります。 例えば、6地域だとこんな表で表されます。

6地域のUA値

なお、日本は北海道の東側が1地域、沖縄が8地域という形で8つの地域に分かれています。これはアメダスのデータを用いていて、5年ごとに更新されます。

東京、大阪、名古屋、神戸、福岡などの主要都市は全部6地域で日本の人口の半数以上がこの6地域に住んでいます。

今回は新潟の5地域の工務店さんから依頼を受けて冷暖房費のシミュレーションを行いました。 5地域のUA値はこのようになっています。

5地域のUA値

政府の基準である、断熱(温熱)等級3と、4、ZEHの値は全く同じです。唯一ZHE+の値だけが異なっています。

この5地域というのは、水戸、宇都宮、高崎などの北関東の大都市、新潟などの北陸の都市部、中国地方の山間部など6地域よりも寒いエリアが指定されます。

実は、別にブログを書こうと思っていますが、冬に寒く、高齢者で亡くなる方が多いのがこの5地域の都市なんです。

つまりは本来、6地域よりもしっかり断熱をして、温かい家にしないといけないのに政府基準が6地域と同じなので意識として低いままであるということがいえますね。

そして、そこでシミュレーションをしてみたのですが、思いのほか差が大きくなりました。

ちょっとご覧ください。

新潟県内のある都市でのシミュレーションスです。

どちらかと言えば、冷暖房費の差が大きく出るような、建物に調整していますのでどの建物もこの差ができるとは限りません。このあたりは別のブログに書いてみたいと思います。

今回は参考に数値だけをご覧ください。 断熱(温熱)等級4の建物の冷暖房費は下記の通りです。このシミュレーションは、ホームズ君というインテグラルという会社のソフトを使っています。

1年間の総額で30万2千円になっています。月平均で2.5万円ほどの光熱費です。基本オール電化ですから電気代と言うことになりますね。この建物は4LDKで40坪、120平米程度ですから、都市部に比べてかなり大きい建物ですが、真冬の電気代が5万円を超える強烈さになっています。 そして、HEAT20のG1の時(つまりUA値0.48)の時はこんな感じです。

G1グレードのシミュレーション

年間の光熱費は、21万円と9万円以上減りました。月平均だと1.6万円です。真冬でも3万円を超えることはなくなりました。 このグラフだとちょっと比較できないのでビジュアルで比較できるように冷暖房費を抜き出してみます。なお、光熱費には給湯費、照明、調理、家電などが含まれています。これらの項目は、たとえ高性能でも、そこそこの家でも大きく変わることはありません。

4等級のエアコン代
G1の電気代

グラフのスケールを合わせてみましたので、見て比較できると思います。冷暖房費を比べると冷房費は、高性能でも4等級でもそんなに差がありませんが、冬のピークにおいては著しく差が出ます。

多分実際に生活しているとここまで差が出ないのです。理由は、4等級の住宅だと我慢するんだと思うのです。皆さん、寒いのに冷暖房費が高いからと、夜寒い家で寝るんですよね。

まあ、真冬にエアコンつけて寝ると部屋がとても乾燥しますから、高性能でも切るんですが、室温が4等級ほどは下がらないのです。

このように数字で出されてしまうと、断熱(温熱)等級4で充分とおっしゃるご施主様はいないんじゃないかなと思います。

実際に、断熱(温熱)等級4(UA値0.87)の建物をUA値0.48程度にする費用は、サッシのコストアップ+断熱の性能UPで精々120万円ぐらいの販売価格UPで済みますよね。だったらやらないというのは、ご施主様にしても、工務店側にしてもないんじゃないかなと思うのです。

ちなみに、HEAT G2(UA値0.34)への性能アップをするシミュレーションもやってみたのですが、また別のブログで詳しくお伝えしていきたいと思います。

ちなみに、この新潟から東京に来るとHEAT20のG1の値も0.48から0.56へと大きく変わりますし、電気代の差もこれほど大きなものではなくなりますが、ご施主様は確実に得する建物になると思います。

工務店さんには、当社の断熱をご採用いただけるとこのようなシミュレーションは無料で全棟つけていますから説得力がある提案が可能です。どのぐらいの光熱費の差になるか?試してみて欲しいなと思います。 お見積もりはいつでも喜んでお受けいたします。平面図と、立面図とサッシの仕様を教えてもらって、狙っているUA値をメールにてお知らせください。折り返し担当者からご連絡させてもらいます。

Posted by 湊 洋一