住宅行政に関わる3つの省
おはようございます。
MX代表のみなとです。
今日も、毎日のブログを書いていきます。
工務店の皆さんの力になったら良いなと思って書いています。
《《《2023年1月11日 エコ住宅をつくる中小工務店のためのブログ第78号》》》
我々建設関連では、国土交通省の指導とか、指針は死活問題です。
最近では、断熱等級6と7が新しく告示されています。あれは、品確法という建物の品質を示す法律で決められた事です。また、ZEH基準において壁量が増えたということもありました。
そして、来年はいよいよ4号特例が変わってきます。この辺りも国土交通省が所管している事業という事になります。
補助金も、グリーン化事業は、国土交通省の予算で補助金になっています。
いずれにしても、国土交通省は、建築物に関する規制を行う省庁といえるでしょう。
また、当社の場合は防火認定などに関わる許認可を握っているのが大きいですね。
防火認定に関しては、民主党政権下で通則認定から、個別認定に大きく舵を切られたのが大きい問題です。
それまでは型式で取得していた防火認定が、一気に細かく煩雑になりました。きめ細かいといえば、聞こえがいいのですがそれだけコストがかかるようになったので、製品単価が上がっていきました。
いずれにしても、国土交通省は規制で業界をコントロールしている省庁といえます。規制はどちらかといえば低い方が、業界として自由にやれますので、厳しい規制を嫌う傾向にあります。
断熱等級の義務化などをなかなか行わなかったのもそんなところに理由があるのかもしれません。
経済産業省
経済産業省は、建築物の中の製造物を管轄しています。産業育成が主な仕事です。
ですから、照明器具、電気器具、給湯器具、換気、調理器具など様々な工業製品とそのメーカーは経済産業省の管轄です。
そのため、JISという日本の産業分野の基準を作っています。以前はJISのIは日本工業規格だったのですが、今は日本産業規格になっています。
ちなみに、木材製品は農水省の下部の林野庁の管轄です。主にJAS基準や、国産材に関する行政を行っています。
また、経済産業省の下部組織の、資源エネルギー庁は、日本のエネルギー政策の中心的な存在でもあります。
ただし、資源エネルギー庁は、その管轄下に、石油企業、電力会社、鉱山会社などがあり、当然ですがこれらの産業振興が省庁の目的です。
ところが、省エネというのは基本的に、電力会社や燃料供給会社の売上を減らすことになりますので、資源エネルギー庁としての存在意義とは真逆なことを目的になります。
ちなみに、日本の省エネ法というのは、資源エネルギー庁の管轄ですが、中身を読むと内燃機関やボイラーなどの効率の向上が中心になっています。最終的には、効率は良くしたいけれど、エネルギー消費の抑制に関しては、若干腰が引けているのかもしれません。
経済産業省の補助金は、現在おもにZEHの中でも、ZEH+に関わるものがありますが、その他にも機器関連の補助金や、太陽光パネルや蓄電池に関わるものも環境省と共同で予算化されています。
特徴としては産業振興が主な目的ですから、競争に主眼が置かれます。ハードルは高めにして、業界を指導していくスタイルで、この省庁が省エネルギーを握っているということは、本来は、もっと指導力が発揮できるはずなのですが、建築行政は国土交通省が主体という遠慮があるのかもしれません。
環境省
こちらは、環境保全などを取り扱う省庁です。
2001年に環境庁から環境省になりました。
そのため、CO2削減などに関して、様々な補助金を出しています。
ZEHに関して基本的なものは、経産省から環境省に移ってきています。これは、経産省は新しいもの、トップランナーに関わるものが中心で、それ以外の一般的なCO2削減は環境省に移すという意向によるものです。
比較的新しく省に格上げされたのですが、政策的には環境保全になります。住宅行政に関しては、比較的新しい分野である、CO2削減がテーマになっています。
ここで注意すべきは、省エネルギーは、資源エネルギー庁で、CO2削減は環境省が主に管轄しているということです。
これは、縦割り行政の悪いところなのかもしれません。
この3つの省庁が我々の関わる主な省庁なので、特性が違うという所は理解しておいた方が良いかもしれません。いずれにしても現在は、3つの省が激しい縄張り争いを行わず、強調して政策を進めていますが、どうにもスピード感がないので、どこかに司令塔を作った方がいいのかもしれないですね。
以上、日本の住宅行政に関わる3つの省についてのお話でした。
まあ知っていたところでどんな得があるのか?という感じではありますがね。理解していただいて損はありませんよね。
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