断熱等級7と断熱等級6+熱交換型換気システム どちらが快適?
おはようございます。
MX代表のみなとです。
今日も、毎日のブログを書いていきます。
工務店の皆さんの力になったら良いなと思って書いています。
《《《2023年5月14日 エコ住宅をつくる中小工務店のためのブログ第197号》》
こんな質問を受けました。
断熱等級7+3種換気
断熱等級6+熱交換型換気
どちらが快適ですか?
これは、ぶっちゃけ人それぞれ、更に熱交換効率というやっかいな代物を詳しく検討しないといけません。
今日はいろんな側面からこれを考えてみたいと思います。
断熱等6と断熱等級7を比較すると
基本、東京大学の前先生からお預かりしている資料を基に書いていきます。
引用するスライドは前先生提供です。なお、この文章の責任はすべて当社にありますので、前先生にお問合せいただいてもお答えできません。
では、単純な断熱等級6の家と断熱等級7の家はどうなのでしょうか?
屋内のサーモグラフィーの写真はこんな感じです。
もっとも同じ日でもなければ、建物のプランも違います。
ですが、これを見ると一目瞭然という程の差があるのかわかりません。
床の温度も22度と24度ですからこれが暖房による差なのか?それとも断熱性能による差なのかは、はっきりとしません。
YKKAPの品川ショールームには、断熱等級2、4、5、6,7を体験できるスペースがあります。
これを体感したところでは、官能的に違いはわかります。
ですが、これはあくまでデモであって、両者の比較になるかまでは、当社として断言しないでおきます。
断熱等級6と7の熱損失の違い
エネルギー面では、実は冷房に関しては、断熱等級6でも、断熱等級7でもたいした差がありません。
ですから、問題は冬ということになります。
どうして冬なのか?というと、単純に温度差が大きいからです。
夏の内外温度差は、精々12度ぐらい、一般的には10度ぐらいでしょうか。
ところが、真冬の内外温度差は、東京の場合は屋外が0度、屋内が22度だとすると、22度の差になります。もちろんこれは朝晩だけですが、特に夜間晴れる太平洋側は断熱性能が多くものをいいます。
暖房エネルギーを比較するとこんな感じです。建物は建築研究所が決めている標準住宅になります。
下記の数値は内外温度差が1度の場合の熱損失になります。
断熱等級 6の外皮からの熱損失 129 W/K
断熱等級 7の外皮からの熱損失 73 W//K
3種換気 53 W/K
熱交換型換気 11 W/K
となります。
つまり、断熱等級7+3種換気だと 126W/Kで、断熱等級6+熱交換型換気だと 140W/Kとその差が10%になります。
断熱等級7+3種換気の10%しか差がないのが、断熱等級6+熱交換型換気だとすれば、データ的に大きな差がないといってもいいのかもしれません。
ちなみに、断熱等級5の場合は同じ熱損失は、168 W/Kですから、これも大きな差でないのかもしれません。
ですが、体感では明らかに変わるほどの性能差がありますので、たった10%であり、たった2度差でも意外に人間は敏感なのかもしれません。
たかだか10%ですが30年積み上がると大きな数字になるのも事実ですね。
これまで、メルマガは2450号以上毎日書き続けています。ひと月に数回はためになったと褒められます。できれば、根気よく読んでみてください。無料のメルマガのお申し込みはこちらから!