フランスの電力と住宅基準 3

おはようございます。

MX代表のみなとです。

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工務店の皆さんの力になったら良いなと思って書いています。

《《《2023年3月16日 エコ住宅をつくる中小工務店のためのブログ第141号》》》

野球が面白いぐらい強いですね。

日替わりで打てる選手が替わるのが日本の良いところです。

ということで、気持ちよくアメリカ、フロリダ行きを決めたところで、続きを書いていきます。

昨日はフランスの基準を書いていきました。今日は日本の基準との比較を書いていきます。

(昨日の話はここから『フランスの電力と住宅基準2』)

日本の住宅のエネルギー基準

これまで断熱等級に関して、注目してきましたが、フランスなどの欧州基準は、消費エネルギーが基準になっています。

そして、日本にも省エネルギー基準があります。それが、1次エネルギー消費量等級です。

これは、去年になって、1次エネルギー消費量等級6までが決められています。

そして、その数値に関しては、こんな感じになっています。

無断熱 1次エネルギー消費量等級1  134.4GJ

昭和55年基準 1次エネルギー消費量等級2 93.1GJ

平成4年基準 1次エネルギー諸肥料等級3 90.0GJ

平成11年基準 1次エネルギー消費量等級4 80.7GJ

BEI0.9 1次エネルギー消費量等級5 74.8GJ

BEI0.8 1次エネルギー消費量等級6 68.8GJ

このGJは、1次エネルギーといってギガジュールと呼びます。

J(ジュール)は、仕事量でして、1wh=3600J です。しかも、これは建物全体での基準なんですが、欧州基準と合わせるために、基本的な建物の面積を求めないといけません。

国土交通省は、詳しく調べない掲載されていないのですが、基準とする建物を決めています。

それが、120.08平米の2階建て建物です。国土交通省の省エネの教科書には載っていますが、普段は目にすることがありませんよね。

その建物が下記の建物になります。詳しい寸法は掲載されていますが、この図では潰れて読めないですが、とにかくこの建物が国土交通省の定める標準の建物になります。

1次エネルギーの数字を平米単位に直して、この数値を使って平米単位に計算し直してみました。

無断熱 1次エネルギー消費量等級1  310.9 kwh/平米年

昭和55年基準 1次エネルギー消費量等級2 215.4 kwh/平米年

平成4年基準 1次エネルギー諸肥料等級3 208.4 kwh/平米年

平成11年基準 1次エネルギー消費量等級4 186.7  kwh/平米年

BEI0.9 1次エネルギー消費量等級5 173.0 kwh/平米年

BEI0.8 1次エネルギー消費量等級6 154.5 kwh/平米年

これでフランス基準と比較する事ができるかな?と思ったらできないのです。

よく見ると1次エネルギーと書いています。これは、日本だけの基準です。普通の住宅の場合は、欧州では2次エネルギーを用います。

2次エネルギーというのは建物で使うエネルギーのことですが、日本では住宅だけではなく建物に、1次エネルギーを使います。

1次エネルギーというのは、生の燃料換算で、これを使っていると輸入する燃料とのバランスが取りやすいのです。あくまで経済産業省が使いやすい基準を日本では使っているわけです。

なんだかとても面倒くさいですが、例えば、ドイツでは断熱の性能値を空気との比較で決めていたりするので、どっちもどっちです。

それに関しても換算式があるのですが、ここでは割愛しますね。

御託はいいので、2次エネルギーに換算します。これは、効率が経済産業省の表に乗っていますが、昼間と夜間と全日になっています。つまり、電気での換算なんですね。オール電化の場合はいいのですが、電気ガス併用住宅の場合は、この通り行きません。

あくまでオール電化に限定した簡易計算だと思って貰えれば、充分です。

数字は、全日平均36.9%になっていますから、上記の1次エネルギー換算値の3倍近い数値になります。

無断熱 1次エネルギー消費量等級1 の2次エネルギー換算値 842.6 kwh/平米年

昭和55年基準 1次エネルギー消費量等級2 の2次エネルギー換算値 583.6 kwh/平米年

平成4年基準 1次エネルギー諸肥料等級3 の2次エネルギー換算値 564.8 kwh/平米年

平成11年基準 1次エネルギー消費量等級4 の2次エネルギー換算値 505.9 kwh/平米年

BEI0.9 1次エネルギー消費量等級5 の2次エネルギー換算値 468.9 kwh/平米年

BEI0.8 1次エネルギー消費量等級6 の2次エネルギー換算値 418.8 kwh/平米年

ということで、フランスの基準と比較してみると、余りの大きな差に驚きます。

フランスの基準(年間消費エネルギー)

A 50以下 kwh/平米年

B 51~90  kwh/平米年

C 91~150 kwh/平米年

D 151~230 kwh/平米年

E 231~330 kwh/平米年

F 331~450 kwh/平米年

G 450以上 kwh/平米年

日本の住宅の場合は、1次エネルギー消費量等級6でも418.8 kwh/平米年ですから、フランスの基準では、Fランクに相当します。

ですから、これはもしかしたら違うのかな?と思って、方々に聞いて回りましたが、今のところこの差がなんなのかハッキリ解りません。

このフランスの数値のA~Gの差が余りに大きいので、もしかしたら冷暖房だけの計算かもしれませんよね。

日本の場合は光熱費全てですから、であればここから家電、照明、調理、給湯を取り除かないといけません。

日本の場合は、10%削減でランクが1つ上がりますが、フランスの場合はBをAにするためには半分ぐらいのエネルギーを減らさないといけません。建物全体だとすると、現実問題としては、それは不可能ですからね。

まあ、こんな地味な計算をセコセコとしているのですが、ここまで来ると工務店さんレベルでなくて、大学の環境系のレベルだなと我ながら思います。建築の学位が取れそうですね。僕は一応電気工学科なんですけれども。

これは、ちょっと迷宮入りしてしまいました。現在、とある大学の先生に問合せをしていますので、最終回は、ちょっと先送りさせて下さい。

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Posted by 湊 洋一