壁面からの熱ロス

おはようございます。

MX代表のみなとです。

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工務店の皆さんの力になったら良いなと思って書いています。

《《《2023年1月22日 エコ住宅をつくる中小工務店のためのブログ第90号》》》

昨日は、床下エアコンを以前提案したお客様から数々のクレームがあったのでまとめで訪問してきました。

これまでの問題点は、3つぐらい有りました。

冬寒い

夏暑い

冬一部の部屋から冷気が降りてくる

この住宅は、UA値が0.44ぐらいの断熱等級6ぐらいの住宅です。関西地方にあるので、地域的には6地域ですね。

夏暑いのは、小屋裏から屋内側への風量不足が原因だと思います。この工務店は松尾先生のお弟子さんですが、施工実績が少ないときのクレームでした。風量を増やしてもらって解決できたと思います。

その工務店さんは現在は、問題のない計画をされています。

そして、冬寒いというのは3種の換気扇を常に付けて1時間に600立米ぐらいの屋内の空気を捨てていたから起きました。それを止めてもらって、1種の熱交換型換気システムを回してもらったところ、寒いというクレームはなくなりました。

そして、昨日は冬の体感をいろいろ伺いに行ってきました。

室温的には、こんな感じですね。

床下エアコン設定 24度

1階 24度

2階 20~21度

12月の電気代が3万円まではしなかったそうですから健闘していますね。

壁面から熱の漏れ

間取りは流石に掲載できませんが、建物の中央に大きな吹き抜けがあります。

本来はその服抜けが1階と2階の温度差の解消に役立つのですが、冬の冷気が階段経由でしか降りてこないようになっている。

つまり、2階廊下の吹き抜けの部分に壁が有って、2階の床面から空気が抜けるのは階段部分だけということになっています。文章で書いても想像できないですね。

撮ってきた写真をちょっと加工してみました。吹き抜けの部分は2階の床から直接吹き抜けにつながっていないのです。階段部分のこの抜けている手すり部分ももちょっと立ち上がりがあります。

そのため、2階で冷やされた空気は、すべて階段から落ちてきています。

それに対応するために、階段下にサーキュレーターをおくと、解決したそうです。その部分の熱画像を撮り忘れたのですが、冷気が降りてくるときにはサーキュレーター有効ですね。

そして、南側の窓はこんな感じで、真冬でも日が入ると表面温度が30度を超えます。

更に、1階の床下エアコンの吹き出し口も、30度を超えているので1階の室温が24度になるのもうなずけます。

この建物で1階と2階の温度差があるのは、推測ですが壁面から熱が漏れているということですかね。

これは、断熱等級6程度の建物だと限界かな?と思います。

壁からの熱のロスは、UA値0.44だということは、1平米あたり温度差が1度の時に0.44w漏れる事になります。壁の温度差が18度有れば平米当たりおよそ8w熱が逃げます。

西側の吹き抜けに面している面が25平米ほど有ると思いますので1時間で0.2kwh程度の熱が逃げます。1日で5kwh程度の熱ロスになるのでかなりの量です。

下記の画像は吹き抜けの西側の壁です。柱部分が19度ぐらい、壁面は20度ぐらいですから24度から4度ぐらい温度差があります。

断熱等級5の建物だと、2階の温度は18度ぐらい、断熱等級4の建物だと2階に暖房を入れないとちょっと寒いという感じになっていると思います。

もちろん、断熱等級7にすれば壁面からの熱ロスはより小さくなりますが、断熱等級6に加えて400~500万円価格が上がりますから経済性だけみれば得なのかな?と思います。

壁面からの熱の逃げを体感するには良い経験でした。

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Posted by 湊 洋一