カナダのNET ZEROの実力
こんばんは。
MX代表のみなとです。
今日も、毎日のブログを書いていきます
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《《《2024年2月23日エコ住宅をつくる中小工務店のためのブログ第477》》》
今日は、木造の建築現場を見せてもらったり、講義を受けてみたりしていました。
明日での研修は終了なんですが、明後日が長いんですよね。
帰着は、月曜の朝になります。
さて、今日も色々新しいことを学びましたが、一番面白かったのは、言葉の意味の違いです。
NET ZERO ENERGY
特にこの、『NET ZERO ENERGY』が大きく違いました。
日本の住宅は、断熱等級5=ZEH基準の35坪ぐらいの住宅だと、プランにも寄りますが年間60GJ程度のエネルギーを使います。
そして、それを回収するための60GJ 分以上の太陽光パネルを取り付けるとZEHということになります。
このときの60GJ発生する太陽光パネルは、もちろん地域や緯度などにもよりますが、おおよそ4~5kwhのパネルがあれば充分にZEHになります。
ところが日本とカナダ・北米では住宅1棟あたりの消費エネルギーが雲泥の差なのです。
これが、2012年の時の数値ですが、日本と米国では、およそ2倍の開きがあります。
日本は43GJに対して米国は95GJになっています。日本は照明家電が15GJに対して、米国はその他が3GJになっているのでこれが同じ物なのでしょう。
大きな差は日本の暖房が10GJに対して、米国は39GJとおよそ4倍の差があります。理由は日本が寒くなったら1部屋ごとに暖房するスタイルなのに対して、米国はセントラルヒーティングシステムが入っているからです。カナダも同じ傾向がありますね。
この2012年のデータは、その後少し変化して、2020年には1戸あたり、最終消費エネルギーは32GJということになっています。
上の英語の表記だと最終消費エネルギーになっていまして、下記も周辺の記事をよく読んで行くと最終消費エネルギーなので基準か同じようですね。戸あたりの最終消費エネルギーは、32GJ(32,061MJ) なのか、43GJなのかは意見の分かれるとことろですね。また調べておきます。
ちなみに、最終消費エネルギーのおおよそ1.5倍が1次エネルギー量になります。これは、下記を根拠として計算しています。
日本のエネルギーバランス・フロー概要(2020年度)
1次エネルギー国内供給 17,965 10の15乗J
最終エネルギー消費 12,082 10の15乗J
つまり、2020年の最終消費エネルギーが1戸あたり32GJということは、1次消費エネルギーは、1.5倍の48GJということになりますね。
これは、戸あたりの1次消費エネルギーということになりますが、これが消費エネルギープログラムでの計算結果になると、35坪程度の標準住宅で75GJ程度、ZEHはこの20%程度の削減ですから60GJ程度になります。
統計的には、48GJになっているというのはあくまで世帯で割っているためで、住宅の方がマンションなどの建物よりも1次消費エネルギーは大きくなる傾向にあるので、これらの数値に関しての整合性は、後日取材をして明らかにします。詳しくどこにも文献がないのです。
カナダの1次消費エネルギーは、ちょっと見たところ消費エネルギーが出ていないのですが、一人あたりの電力消費量が出ていました。
日本のおよそ2倍も電力消費量があるのですね。解説に寄れば、そもそも電力が安いことと資源が豊富なことが根底にある様ですね。
このグラフでのアメリカとの差は、18.6%カナダの方が電力使用量が多いのです。ただ、これは国全体の消費量だと思いますし、根拠としてはちょっと弱いのですが、カナダの最終消費エネルギーが、アメリカの95GJよりも仮に15%程度多いとすると、以下のようになります。
暖房 39の15%UP 45GJ
給湯 17の15%UP 20GJ
冷房 6GJの15%UP 7GJ
その他 33GJの15%UP 38GJ
これが最終消費エネルギーで、これを1次消費エネルギーに換算すると、日本のデータを同じと思いますがと思いますが、仮に1次消費エネルギーが1.5倍大きいと仮定すれば、こうなります・
暖房 67.5GJ、給湯 30GJ、冷房 10.5GJ、その他 57GJ トータル 165GJ
カナダの場合は、暖房はこうなる可能性がありますが。冷房はここまで必要ないと考えます。最近までエアコンを屋内に習慣がなかったそうですし。
そのため非常に大雑把ですが。160GJがカナダの住宅の1次消費エネルギーだとします・
これを削減して、太陽光パネルでの発電量でこれを超える必要があるわけです。
パッシブハウスとNET ZERO
現地の方々に取材すると、パッシブハウスと比較対象の『NET ZERO』いう言葉を聞きました。
こちらは、米国基準のパッシブハウスに近い事をおっしゃっていたのですが、どちらかを目指すというお話で、ほぼ同じ性能という認識でした。
理由は、この電源構成から明らかなように、圧倒的なジャブジャブのエネルギー浪費体質です。
日本の場合は、4~5kwh程度で60GJのエネルギーを消せましたが、カナダの方が緯度が高いので太陽光パネルの発電量も不利になります。
仮に発電量の低下を25%とすると160GJの消費エネルギーを打ち消すために14~15kwh程度太陽光パネルを搭載しても150~160GJということでギリギリになります。これを少ない10kwh程度でネットZEROを達成しようとすると、1次消費エネルギーを160GJを、100GJ以以下に削減しないといけません。この差は。60GJ程度です。
断熱性能を上げるだけで削減できるのは、暖房の67.5GJですが、これをおよそ60GJ減らさないといけません。
つまり、暖房の1次エネルギー消費を67.5GJ ⇒10~7GJ程度にしないと達成できないレベルだということになります。
カナダの場合は、消費エネルギーがジュールではなく、年間のkwhでしたので、同じ尺度で比べるのが難しいのですが、暖房の負荷を1/5程度(つまり8割以上削減)まで圧縮しないといけないので、日本の場合のように20%削減すればいいよというのと、カナダの場合は、80%削減と大きく圧縮する必要があるというのでは、『NET ZERO』の言葉の重みはかなり差があるなという感じですね。
なお、バンクーバー市で、『NET ZERO』を目指していた住宅の断熱の仕様は、充填にロックウール150ミリ、付加断熱に150ミリ程度のトータル300ミリの断熱行われとのことでした。それでも太陽光パネルの発電量からするとギリギリという話でしたので、結構大変だという印象です。
パッシブハウスの場合は、更に部位毎の熱の逃げの計算、暖房負荷の最大値と年間暖房負荷のいずれもの計算など非常に複雑なので、比較的シンプルな『NET ZERO』を目指すとのことでした。
長文読了ありがとうございます。何だか類推ばかりで検討になっているか不安ですが、このあたりで終わります。
致命的な間違えなどご指摘いただければ嬉しいです。
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