許容力度計算が万能か?
皆さん、こんばんは。
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《《《2024年6月28日エコ住宅をつくる中小工務店のためのブログ第597号》》
先日、構造塾の佐藤先生と話をしていました。
セミナーをお願いしたのですが、とても年内は難しいということで、やんわりとお断りされてしまいました。
残念です。
で、その後違う方とお話しをしていたのですが、違う意見をお持ちでした。
許容力度計算の概念
許容力度計算で構造の計算を行うのが、至高であるという考え方はこの3年ぐらいに急速に普及しました。
ですので、『当社は耐震等級3です。きちんと許容力度計算を行っています。』というのが良心的だということになっています。
その僕の話をした方は、この考えに異論があると言うことでした。
理由は、使用規定を使って壁量計算した方が強い建物になる可能性があるというのです。
現在国土交通省の品確法では、壁量計算と許容力度計算のどちらでも、評点が1.5あれば耐震等級3にすることになっています。
その方は、この2つの方式を比較したときには、壁量計算の方が安全率が大きいので、余裕度はその方がある場合もあるのではないか?ということをおっしゃいます。
安全率とは?
例えば、安全率は、木材の本来の性能を発揮する力をAとすると、Aに数値をかけて安全側に結果を導くために使います。
例えば、Aの数値に1.5をかけると、50%の安全率ということになります。
いわゆる保険として働きます。機械設計においては、必ず使う重要な指標です。
壁量計算の場合は、仕様規定の中に安全率の考え方が織り込まれて、構造上より強い方向に誘導されています。
それに対して、許容力度計算そのものには、この考え方が含まれていないわけです。
ですから、許容力度計算の評点1.5というのは、ほとんど全然率がかかっていないというわけです。
施工者に不利有利
仕様規定での壁量計算は、工務店にとっても不利になる、必要以上に構造にお金がかかるということになっています。
ところが、その方が結果として強い建物になるというのが、異論の中身でした。
確かに、木材の強度は許容力度計算をやる場合は、標準的な値を入れますが、樹種や含水率などの様々な要因において、木材の強度が充分ない場合も考えられます。
その場合は、計算結果は実態よりも良い値になる場合があります。
更に、木材は有機物ですから、年々強度は落ちてきます。
その点、使用規定を使って壁量計算をすると自然と安全率がかかっているので結果的により強い建物になるわけです。
このあたりは、その意見が正しいのか?間違っている?のかは検証できないのですが、なるほどなと思った議論でした。
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