中古住宅の基礎
中古住宅をリノベーションする場合の基礎周りの工事について個人的に調べてみました。
今後、中古リノベをする方も多いかなと思いますが40年以上前の建物は、無筋の建物も散見され、50年以上前で有れば確実に無筋でしょう。
そんな建物をリノベーションして欲しいと言われた場合の補強と防湿はどこまですべきでしょうか。
基礎の補強
一番高いのは、現状の基礎の横に鉄筋入りの基礎を新設することですが,そこまでやるのであれば完全に解体して更地にするのが良いでしょう。
そのため、無筋だと解った時点で、下記のような補強が良いと思います。
基礎補強工事システム『ガンコオヤジ』
炭素繊維を使った補強
https://www.taisinn.net/hokyo
J建築システム『JABRA-1システム』
アラミド繊維を使った補強
http://j-kenchiku.co.jp/jbgai.html
いずれにしても強度の強い繊維を使った補強システムです。費用は1棟あたり30~70万円です。
これに外側の再度の左官仕上げが必要な場合があります。
防水工事と基礎断熱
これに防水工事が必要です。また、基礎に空いているガラリは、完全に閉じてしまって下さい。
ガラリに関していえば、空けておいてメリットは、皆無です。欠点は3つあって、虫の侵入、雨水の浸入、湿気の侵入です。
良く地面からの湿度の侵入を気にする方がいますが、これは調査したところ、ほとんど影響がありません。気になるようであれば、防水シートを敷いて、採石をまいておいてくれればそれで充分だと思います。
つまり、地面が露出していても、そのままで良いのですがお客様の不安がある場合は、このような措置を検討して下さい。
むしろ外気からの湿度は、とてもやっかいです。床下浸水でもしようものなら、それこそ防水に関しては床を剥がして徹底的にやらないといけません。ですので、基礎に空いているガラリは完全に閉じることを旨としてください。
ただし、この場合は、床断熱ではなく、基礎断熱への変更をお勧めします。
基礎断熱のメリットは2つあります。
床断熱から基礎断熱にすることで床下空間を建物内として取り扱えます。さらに、基礎断熱にするとUA値計算をする時にかなり有利になります。
新築の場合は、床断熱から基礎断熱に変えるだけで0.05程度影響を受けます。ギリギリの建物の場合は、床断熱を基礎断熱に変更すると良いでしょう。
ですが、絶対忘れないで欲しいのが、床へのガラリの取り付けですね。これだけは必ず取り付けないと、床下がカビだらけになってしまう場合があります。ただし、スラブを新設した場合は別として、地面向きだしの場合は、湿度が上がってきて困るということは普通有りません。