パッシブハウスの入門編
パッシブハウスとは?
パッシブハウスというのはお聞きになったことがあるでしょうか?
パッシブというのはアクティブの反対語になります。これはどんな意味かというと、アクティブ(積極的に)とい言葉の反対ですから、消極的というか、受動的という意味になります。
つまり、簡単に言えば自然エネルギーをなるべく生かしながら、生活をするように建築から考えるというのがパッシブハウスという概念になります。
そして、このパッシブハウスですがドイツのパッシブハウス研究所が基準を定めています。
1㎡当たりのエネルギー量kwh/㎡(年間)
1.冷暖房負荷が各15kwh/㎡以下
2.一次エネルギー消費量(家電も含む)120kwh/㎡以下
3.気密性能として50㎩の加圧時の漏気回数0.6回以下※
※漏気回数0.6回以下=隙間相当面積(C値)=0.2c㎡/㎡以下となる。
冷暖房負荷が、15kwh/平米というのは、実はとてつもなく高レベルでして、当社でシミュレーションしてみましたが、UA値が0.2程度でないとなかなか達成が難しいです。
冷房負荷は、それほど難しくありません。UA値が0.35程度でも、窓から侵入してくる日光を徹底的に遮ることで、15kwh/平米以下でも問題なく達成することが可能になります。
問題は、暖房負荷の方でして、シミュレーションすると年間の冷暖房費は、暖房費は冷房費の約8倍~10倍にもなります。
この10倍もの差のある暖房費を如何に抑えるか?という事を考えると、暖房器具だけに頼っていては決して達成できないという事がご理解いただけるのではないでしょうか。
冬は日射取得でパッシブハウスにする
ドイツ基準のパッシブハウスという事に限定すると、必ず冬場の太陽光取得は必須になります。
逆にいうと、太平洋側において真冬の太陽からのエネルギーを捨てる設計というのは、せっかく無料で世の中におちているお金を捨てる様なもったいない事になるわけです。
どのぐらいのエネルギーかといえば、南面の掃き出し1面で650w程度になります。つまり、掃き出し窓が1セットついて入るだけで、1日日照時間が少なく見積もって5時間としても、3kwh程度のエネルギーを取り込めます。(650x5=3KkW)
1kwhが27円とすると、およそ80円ぐらいの電気代を、掃き出し1セットでまかなえます。
南側に掃き出しが1階、2階合わせて6セットある住宅だとおよそ500円ぐらいのエネルギーを太陽さんが無料で我々にくださることになります。
太平洋側の晴天率が7割で、冬が11月から3月の5ヶ月とすると、150日x500円x7割=だいたい5万円ぐらいの電気代が一冬で節約できる計算になります。これが30年あれば150万円が節約できますので、南面の掃き出し窓はとても重要です。
もちろん、ドイツ基準のパッシブハウスというのは建てるのは難しいのですが、パッシブハウスという名称だけであれば、基本的に基準等はありませんので、自社で名乗った方が勝ちみたいなところがあります。やってみてください。必要なら相談に乗りますね。