経営コンサルタントの頭の中 48

異業種から学ぶこと

現在、あるセミナーで知り合ったコンサルタントの方と書籍制作を進めております。その書籍のタイトルは、ズバリ『絶対に儲からない飲食店の法則51』です。もちろん仮題でして、このまま本になるかは不明です。

その企画書には51もの儲からない飲食店の例があるのですが、これを工務店に置き換えても学べることがあると思い。その企画書をひもときながら、参考になる言葉をお伝えして行こうと思います。

そのリストは大別すると、飲食店特有の事情と商売する全ての人に共通の話題が有りますので今回共有させてもらうのは全ての商売に共通するネタだけになります。

思いから考えること

全ての商売は、金儲けを行わないと、維持していけません。収益がないと、給料も払えないですし、会社を大きくすることは不可能です。

ですが、本来の商売は儲け以外が目的のはずです。金儲けが目的だとすると、同じ商売を永く続けることに価値はあまりありません。というのは、もっと儲かる仕組みが出てきたらどんどん商売を替えるのが本来だと思うのです。

同じ業態を10年、20年と続けているのは、それしかできないからという言葉は置いておいても、好きだからとしかいえまよね。嫌いだったら、暑い夏の現場や、クソ寒い思いをして、家なんて建ててないですっって。

とはいうものの、こんな感じの家づくりはよくありません。

お客様の要望ではなく、自分の理想を押しつける

飲食店の場合は、理想のお店を作ってしまうということになります。自分の思いを形にするのは、あくまでお客様であって、作り手の理想を押しつけることではありません。

入りにくい事務所の外観、何屋か解らない

これもよくあるパターンです。お客様は人一倍臆病です。それを理解して、不安のない事務所、更にチラシやWEBで事務所の中がどんな風になっていて、誰が働いているのか?どんな人なのかは最低限伝えないといけませんよね。お客様が安心するためです。

売りたい商品と売れる商品

商売が成り立つのは、良い家ではなく、売れる家

良い家というのはあくまでプロの我々が見て良い家です。しかしながら、売れる家というのは、必ずしも我々が見て良い家ではありません。つまり、商売をよくしたければ、良い家ではなく売れる家をつくって提供する必要があるのです。といっても最低限の性能は必要だと思いますけれども。

儲けを出す商品と客を集める商品はバランス良く

その家も利益率は同じというのではなく、客寄せパンダ的な商品としっかり収益を確保するための商品を作るべきです。

住宅の場合は価格帯や、見せ方から1商品ではなく、3商品は有った方が良いですね。その方がお客様の幅が広がります。価格の松竹梅でやるのか、テイストを変えるかは皆さん次第ですが、利益率は少しは変えるべきです。

社員との情報共有

社員の接客は、社長でも、パートでも営業マンでも同じにすべきです。

マニュアルがない。マニュアルを守りすぎる。

マニュアルというのは、お客様の対処法や接客を文章化したもの。それは、サービスの質をそろえるために、社員数が10人を超えると必要になります。ただし、マニュアルはサービスを向上されるためのもですから、マニュアル至上主義になるのよくありません。マニュアルに不備があればどんどん変えていきましょう。

会社の目的が明確でない。個人の目的も。

現場が混乱するのは、会社の目標が明確でないことが原因です。今期の売上げ目標、利益目標から、会社全体での目標を社員全員で共有すると、社員が迷わず判断ができます。社員が自分で考えることができるようになります。

他の繁盛店を見て、学ぶ。

他の繁盛店を社員で見に行く機会を設けることも大切です。どうして、儲かっているの一緒に考える事で、社員にも社長にも経営者としての視点がついてくるのです。

他社のあら探しではなく、どこが儲かっているポイントなのか、その会社から何を学ぶのかをしっかり共有して自社に生かして行きましょう。

社長同士が仲良ければ喜んで見せて貰えますし、そうでない場合は社員がバラバラに視察に行かないといけないですが、競合他社の視察は客商売なので必須かなと思います。

Posted by 湊 洋一