経営コンサルタントの頭の中 54

返報性のルール

『影響力の武器』という書籍があります。この書籍は、1984年に初版が発売されました。著者ご本人は、米国人で、スタンフォード大学のご出身という事で、この書籍は、顧客心理のバイブルという事になっています。

多くの経営者の方は読んだことがあると思いますが、とても厚い本ですが読みやすいので、未読の方は是非とも買ってみてください。未だに売れていて、先日はアマゾンでベストセラーでした。

そして、その書籍の中でしっかり書かれているのが、返報性のルールという項目です。

これは、人間生きていく上で重要な事です。それは、返報性という言葉だとよく解らなくなりますが、受けた恩は返すと、書くと日本人には解りやすいかもしれません。

皆さんもご経験があると思いますが、お金を借りるという具体的な行動でなくても、ちょっとしたことで優遇してもう、飲食店で常連さんへちょっとえこひいきをして貰う、見ず知らずの方に親切にしていただく、日常の何気ないちょっとしたことですが、これが意外に心理的に効いてくるということがあると思います。

クラブやキャバクラなどの飲み屋さんなんかは、完全にこれを利用しています。常連になると、何かちょっとしたサービスをして貰う。同伴とか、アフターもある意味そうですよね。

返報性のルールで、人間関係を作られると、他の

お店には、行きにくくなって、またそのお店に通ってしまいます。どうせお金を使うのなら、あの人のために使おうとなるわけです。

皆さんは、これを意識的に使ってください。マスクが手に入ったら配るでも良いです。場合によってはマスクを売っている店舗の情報を知らせてあげるというのも、情報という恩を売ることになります。

特に、大人でどちらかといえば、男性の方が返報性のルールにはまりやすいです。女性は、男性に比べて現実的ですから、恩返しをするよりも、実利を獲得して,口でお礼をおっしゃる方の方が多いかもしれません。

具体的な方法

具体的な方法は、何でも良いのですが、先述のマスクのように、お客様が困っていること、悩んでいることを解決するというのが一番良いことです。

そして、悩んでいること、困っていることは常に考えている事、頭の片隅でずーっと残っていることであれば最高ですね。

現在の様に、奥様が働きに出られないとか、子供がずーっと家にいるという場合は、コロナ対策が万全の費用の安い、あるいは無料の遊び場の提供は、奥様に喜んで貰えると同時に、ご主人にもある程度恩を売ることが出来ます。

それに加えて、お客様に会うことが出来るとしたらこれは最高なので、例えば屋外でコロナ対策を万全にした、遊びや憩いを提供できると良いですね。公園などでは出来ない遊びが提供できるをなお良いと思います。

後はアウトドア関連の遊びも最近人気があるので、その様な企画も検討してみてください。

バーベキューセットの提供、テントの貸し出し、先日はハンモックの貸し出しなんかを観ましたが、きちんと消毒洗浄しているキャンプ用品の貸し出しは、お客様に喜こばれます。

これは、OBのお客様に無償提供でも良いと思います。特にキャンプ用具は高い物が多いので、試しにキャンプしてみたいというお客様も多いので、喜んで貰えますね。

これはOBだけではなく商談中のお客様にも提供すると,より接触を増やす機会にもなりますし、好感度は上がるのではないでしょうか。

松尾設計室の松尾先生は、自社でキャンピングカーを購入して、ご自分でも使いますが,社員の福利厚生としても使っているようです。キャンピングカーは大きな投資ですが、自分で使うものを経費で落とすためにという、節税目的でも良いのかもしれませんね。

先月号でも書きましたが、とにかく現在は恩を売る,人間関係を構築する好機です。

今仕事が忙しいのは,医療関係者しかいませんので、それ以外のお客様と緊密な接触+上手に恩を売るというのは今後の関係構築や、他社を出し抜く事において有効な手段だと思いますので,検討ください。

6月になったら戦術を変える

そして、6月になったらキャンペーンなどを考えて,お客様が足を運びやすいイベントを計画してください。

見学会もテーマがあるとなお良いですね。コロナに絡んだイベントもいいです。例えば、換気システムの勉強会などは,今なら人が集まるんじゃないでしょうか。

Posted by 湊 洋一