経営コンサルタントの頭の中 46

土地価格の上昇がはじまった?

令和になって、土地の話題をよく聞くようになりました。というのは、日本で景気の良いエリアがいくつかでてきたのです。

1つは、オリンピック需要があった東京ですが、東京は土地の価格が上がりすぎて、マンションが全く売れなくなっています。

以前は動いていた都心のマンションも値上がりが激しく一般のサラリーマンでは手が出ないゾーンに入ってきています。

私の自宅の近くは、新宿区の外れなのですが以前は4000万円台のマンションもかなりあったのですが、現在では同じマンションが6000万円で出れば、安いという事になっています。ですが、6000万円台のマンションをローンで購入するとなると、月の支払20万円を超えるので、年収800万円台の方でもかなり苦戦します。

都内の所得は高いとはいえ、1000万円超えの年収を誇る方は、全体の1割程度ですからサラリーマンが買えるマンションはほとんど都心には残っていません。ですので、最近は北区や足立区が人気です。

その他に金沢と福岡の新幹線景気に沸いている2つの都市でも土地の高騰が続いています。

金沢は市内でも、郊外部分の土地が、新幹線が通る前は坪30万円程度だったのが60万円を超えている所もあり、宅地が2倍に値上がりしています。

福岡でも同じような現象が続いていまして、30坪程の土地でも1,500万円を超える状態になっています。

両者とも、市内は諦めた一次取得者層が市外へとどんどん流れるという現象が起きています。

そのため、近隣のエリアの土地も値上がりしているという事です。いや、そんなに労働者の所得が上がっていない状態で、不動産が上がっていくのは我々建築業者としてはとても困った状態ですね。

バブルと呼ぶほどは土地は高騰していませんし、国民の借金のレベルもそれほど高くはないのですが、外国人が気軽に投資をしてくるので、日本人にとっては歯がゆいのが各地の好景気ですね。

この他に、北海道のニセコなどもインバウンド(外国人による旅行、投資ブーム)によって土地が数倍になっているエリアもあるそうです。

こんな時の発想法

こんな時は、3つの対抗策があると思います。

まずは、不動産を購入できる層まで、高収入な方をお客様にするという手段がありますね。

これまでのターゲットを完全に変えて富裕層を狙うという作戦です。

ところが、これは自社のWEB、事務所、メッセージ、働いている人の態度など全てを変えないといけません。急な変更は難しいと思うのです。

2つ目の作戦は、郊外に出て行って建てるという作戦ですね。

これは多くの工務店が考える作戦だと思います。

というのも、実際にそのように郊外に流れるお客様を市内で獲得したいという要望は実際にあるからです。

これだと商品を変える必要もないですし、メッセージも全く同じです。

問題は土地の仕込みと、広範囲のマーケティングが必要になるということでしょうか。集客を幅広く集めてこないといけません。

そして、個人的にはこれが本命と思っているのが、3つ目の作戦です。

それは家のサイズを小さくすることです。

どうせ、子供の数が増えないわけです。大きな家は必要ないのではないでしょうか。

一般的に工務店さんは35坪前後の建物を建てていますが、個人的には28坪でもいいし、何だったら24坪の家でも全く問題ないような気がします。

夫婦だけなら20坪でも広いぐらいですよね。

実際にマンションは50平米から65平米までのサイズが都心では売れているのですからね。そうすれば広い土地は必要なくなります。

この考え方は、東京圏、名古屋圏、阪神エリアでは普通に考えられてきたことでもあります。

それを土地が高騰している、福岡市エリアと金沢エリアではそろそろ提案する必要があるなと思っております。

このあたりは、仕掛けを近日中に詳しく公開しますが、結構面白い事になるんじゃないかなと思うのです。

Posted by 湊 洋一