経営コンサルタントの頭の中 43
お客様の感情
お客様は感情で買い物をします。基本的に、論理的な判断で買い物をするというものはとても希です。自動車も、ランチも、洋服も、書籍もよくよく考えると、感情で買い物をしています。それは私達、経営者だけではなく、どんな日本人も同様です。
それは、我々が日々食べ物探しに追われているわけではないからです。数百円を追わなくても生活できるようになっているからですよね。それはそれで幸せなことだと思います。
しかしながら、我々のように商売を行う人間にとっては、つかみ所がない、どうすればいいのかうまく理解できない事が起こることになります。
『何だかイヤ』という奥様の一言で、商談が中止になった工務店さんもいらっしゃるかもしれません。また、家族でどこか食事に行く時にも、奥様やお子さんの好みで、行きたくもないレストランに連れて行かれることがあるでしょうし、逆に皆さんご自身の感情で買い物をご家族に押しつけることもあったかもしれませんね。
このように、手元にあるお金にある程度余裕が生まれると、感情で買い物をするという事になるわけです。
この感情にはいくつか段階があります。それがよく出てくるマズローの5段階欲求です。
マズローの5段階欲求
下記のグラフをご覧になったことがあると思いますが、これは人間の欲求を表現しています。
お客様の感情は、充分下位が満たされると、この段階でどんどん上位に移っていきます。
まずは、生きるか死ぬか、次に治安とか収入の安全ですね。衣食住が保障されて、収入も安定してくると、社会で地位を確立したくなります。日本人の多くが群れるのは、この社会的欲求が強いのだと思います。次に承認される欲求ですね。これは、どんどん組織内での地位が上がると、認められたくなってくるわけです。その上にあるのが、自分らしさですね。
これらの欲求は入り乱れているので、上だけではなく、下の欲求も同時に出てきます。人間はそう単純ではないですからね。
これに好き嫌いの感情が絡んでくるというわけです。この欲求段階に好き嫌いを絡めると承認欲求で10パターンになります。これを分析してお客様に嫌われない様にしないと商談が継続していきません。
嫌われる会社
まずは嫌われないという前提で、考えるとどのような営業活動をすれば良いか?というのがなんとなく見えてきます。ここでは、その感情の中身をお伝えして行きたいと思います。
嫌われないというのは、かなり消極的に感じるかもしれませんが、奥様に『なんとなくイヤ』と言われた時点でその先はありません。
程度の差こそあれ、嫌われる会社、あるいは社長、営業マンの行動はこんなことがあります。
- 生理的欲求の嫌い=不潔、気持ち悪い仕草、タバコ
- 安全欲求の嫌い= 個人情報保護の甘さ
- 社会欲求の嫌い= 無礼な扱い、あいさつしない
- 承認欲求の嫌い= 上から目線、説教
- 自己実現欲求の嫌い=工務店の理想を押しつける
もちろん、これはあくまで一例です。例えばタバコなどは人によっては嫌われない可能性もあります。
とにかく、お客様には丁寧に接してさえいれば、嫌われることは少ないです。
お客様の欲求を真摯に聞いて、その要望に対して、プロとして適切な提案をするだけでは、不十分という事になります。
好かれる工務店になる
逆に好かれる工務店とはどのようなものでしょう。あくまで一例ですが、
- 生理的欲求=清潔、臭いがない、良い香りがする
- 安全欲求= 守られていると感じる
- 社会的欲求=OBの組織があり活動的
- 承認欲求=認めてもらえる、好みを組とってくれる
- 自己実現欲求=理想のライフスタイルの実現
このことから、新築住宅屋なのに、古いオフィスの会社はそもそも存在意義を問われる場合があります。特に若いお客様を相手にしている場合は、この部分がNGだと、反応が顕著に出ます。
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