★1分で読める!ほぼ日刊MXニュース ★Vol.187 2017年2月2日号
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今日も『1分で読める』をテーマに工務店経営に役立つ情報を提供していきます。
よろしくお願いいたします。
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パッシブハウスって何?
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パッシブハウスって言葉がありますが、これは厳密にどんな住宅かを
ぱっとご存知の方はどれだけいらっしゃいますか?
今日はちょっと長くなりますが、考えてみました。
さすがに、『長期優良住宅』や『認定低炭素住宅』、さらに『ゼロエネルギー住宅』というのは
ご存知でしょうし、自社で建てたことがある方は沢山いらっしゃると思います。
ですが、『パッシブハウス』って建てた方はどれだけいらっしゃるのでしょうか?
パッシブハウスはそもそもドイツの基準です。
その基準値は下記の通りです。
1.冷暖房負荷が各15kwh/㎡以下
2.一次エネルギー消費量(家電も含む)120kwh/㎡以下
3.気密性能として50㎩の加圧時の漏気回数0.6回以下※
※漏気回数0.6回以下=隙間相当面積(C値)=0.2c㎡/㎡以下となる。
日本で建築をやっているとJ(ジュール)で一次エネルギーを換算しているので、
これをJになおす必要があります。
建築研究所のWEBによれば、1kwhの電気は、9,970kJの熱量になるとのこと。
(なお、夜間電力の場合は9,280kJ)
ちなみに、kJはキロジュールと呼びます。
普段はあまり、ジュールという単位は使いませんね。
日本の住宅の1次エネルギー基準は、平米あたりが6地域で680MJ/㎡・年(家電は除く)です。
家電はだいたい家のエネルギー消費量の2割5分前後といわれているので、
この家電を含む場合の住宅の1次エネルギー消費量は、おおよそ850MJ/㎡・年になると思います。
このあたりはあくまで推定です。
120kwh/㎡は、前述の建築研究所のデータからほとんど120MJ/㎡となりますから、
850/120=7.1となります。
つまり、1次エネルギーに着目してパッシブハウスのグレードを満たすためには、
建物の1次エネルギーで85%減にしないといけないというわけです。
これは、ちょっと大変なレベルですね。
ですので、必然的に外皮性能はQ値1以下にする必要があるようですね。
UA値でいえば0.24以下です。
その水準では、外張断熱が必ず必要なレベルですね。
それも、120mmの充填をした上で、外張りを120~150mmの厚さを要求されるレベル
だったりします。
本州では北海道以上の性能が要るというわけですね。
VIPの場合は2枚張りで何とかなるかどうかのレベルですね。
この計算はあくまで簡易計算です。
実際の建築には所定のツールを使ってください。
もちろん、当社でもサポートできます。
ただ、このドイツの基準の場合は残念ながら湿度の基準が全くありません。
欧州では梅雨もなければ、蒸し暑い夏もない、長時間お風呂に入る習慣もないので、
湿度の考慮はあまりされていません。
その点が少し問題かなと思います。
今日は、ちょっとパッシブハウスについて考えてみました。
数字を使っていますが、得に難しい計算をしている訳ではありませんから、
ご理解戴きやすかったのではないでしょうか。
技術の話はまた書くようにしますが、近畿大学の岩前先生によれば、着衣を考慮すれば
ZEH住宅ぐらいでだいたい建物の断熱による人間の感度の差はほとんどないとのことでしたので、
一般住宅はここまでの性能が要らないのではないかなと思いますね。
ただ、知識としては持っていて欲しいと思います。
お客様に知識でまけるようではプロ失格という事になりかねませんからね。
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