断熱性能などどうでも良いISO Vol.3298_2025/8/14
★1分で読める!ほぼ日刊MXニュース ★ Vol.3298 2025年8月14日号
おはようございます。
みなとです。
株価が天井を付けました。個人的には、これもっと上値を追うと
思っています。暴落は意表を突く形でやってきます。
昨日のηAC値とηAH値の解説が間違っていました。
松尾先生からご指摘いただきました、ありがとうございます。
ηAC値は、建物の取得する日射量の合計と外皮等面積の商です。
https://mx-eng.com/l/3121897/134978/b/46997268
いずれにしても、あんまり屋内の温度とかと関係が無いので
そんなに意味の無い数字であることは確かですが、窓だけの数値では
ありませんでした。訂正いたします。
今日も『1分で読める』をテーマに工務店経営に役立つ情報を提供していきます。
よろしくお願いいたします。
断熱性能などどうでも良いISO
今日はISOの2日目です。きちんと調べると、へ~と思うことが多いん
ですが一番の驚きはこれです。
断熱性能などどうでも良いとは言いすぎかもしれませんが、実際に
ISOでの建物の性能に関する指標は、冷暖房負荷です。
つまり、この建物は平米あたりどの程度の暖房(冷房)が必要な
建物か?これで議論されます。
そのため、建物の性能値の単位は、kWh/m2年です。
つまり、この建物は年間を通じて冬にどのぐらい熱が必要とされるのか?
で判断しています。
これを、AIに聞いてみても同じ答えが返ってきます。
ISO 52016-1 による指標の定義
ISO 52016‑1:2017は、建物の熱性能の評価手法として、以下の
ような計算を定めています:
暖房および冷房の エネルギー必要量(energy need)
暖房・冷房の 熱負荷(heat load)(設計負荷を含む)
時間あるいは月単位での「センサブル(顕熱)」「潜熱」負荷の算定
室内温度の推定
つまり、ISO基準では断熱性能そのもの(例えばUA値など)ではなく、
建物が必要とする暖冷房エネルギー量自体を評価する方式が採られています。
ということは、日本の外皮性能を重視する高性能住宅は根本から間違って
いるというわけです。
道理で、カナダに行っても、ドイツに行っても話が合わないはずです。
もちろん外皮性能も大切ですが、いわゆるパッシブ性能が全体の2~4割を
支配しますね。(これは地域にもよるし、隣地の状況にもよります。)
そして、それをきちんと理解することなく、高性能と謳っている会社は
国際基準から大きく逸脱していることになります。
国土交通省の擁護をしておくと、とはいっても隣地の状況によって
変わる状況を数値としては扱いにくいというのは確かで、国土交通省
の計算プログラムでは、隣地の状況というのは全く考慮されません。
なので、国際基準の家づくりが今後の住宅のテーマになるんじゃないかな
と勝手に思います。日本の大手は誰もそんな家づくりはやっていない
んですよね。
日本でやっているのは、パッシブハウス・ジャパンという団体ぐらいで
しょうか?それと、松尾和也先生も冷暖房負荷を重視されます。
といっても性能差は大きく、お客様の負担もパッシブハウス・ジャパン
の家はとても大きいのですけれども。
新住協も冷暖房負荷が基本では有りますが、Q1住宅レベル2とか、3とか、
4という指標で会話しているので部外者にはとてもわかりにくいです。
本来であれば、もっと組織内の指標を宣伝したいいのにと思います。
国際的基準には、外皮性能ではなく、冷暖房負荷であるということは
ご理解ください。だからなんだというのは、明日も含めて書いていきます。


