同じ「高気密高断熱」でも全然ちがう!
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年8月16日の断熱ブログ第42号》》》
温熱等級4の高気密高断熱とHEAT20 G2の高気密高断熱
昨日書いたのですが、『高気密高断熱』って便利な言葉ですよね。
かれこれ15年ぐらい見かける言葉です。
HEAT20は2009年からのスタートに過ぎません。つまり、HEAT20というのはたった12年の歴史ということです。
それでも、これだけの影響力を持ったのは住宅業界に取ってはとても良いことです。
今度新しいガイドブックが出ました。まだ手元に来ていませんが、G3の建物の性能値が正式に掲載されているみたいです。
では、温熱等級4の高気密高断熱とHEAT20 の高気密高断熱は、どう違うのか実体験と計算を交えてお伝えして行きたいとと思います。
温熱等級4
温熱等級4というのは、東京、大阪、横浜、名古屋、神戸、京都などの大都市圏では、UA値でいえば0.87という数値です。
これは、グラスウール16K 高性能(0.034w/mK)で100ミリの壁、屋根が200ミリ、窓がサーモスHか、PAW330。床断熱がスタイロフォームで50ミリぐらい。
この程度でも充分にUA値0.87をクリアしますよね。
この性能でも、これまで築10年以上のアパートや木造に住んでいた人にとっては充分に温かい住宅になります。
ただし、マンションに住んでいた人にとっては木造の温熱等級4の住宅は地獄です。
新しい家なのにどうして寒いのかとクレームになるかもしれません。
注意が必要です。
なお、関東圏の建売住宅はほとんどこのレベルですね。
HEAT20 G2
先日も松尾設計室の松尾先生と話をしていましたが、誰に伝えても確かに『高気密高断熱』の住宅だと言えるレベルがこのG2グレードになります。
6地域であれば、UA値が0.46という数値になります。
この数値を達成するためには、このような仕様が必要です。
当社の30倍発泡ウレタン(熱伝導率0.022w/mK)を壁に80ミリ、天井に150ミリ。窓がAPW430(トリプル)、床断熱は100ミリ前後がいいと思います。
ここまですれば、今のレベルで高気密高断熱といい切ってもいいでしょう。
これ以下の住宅は、2021年では高性能ではないと言っても怒られないでしょう。
普通の住宅で温熱等級4程度有るわけですから、他に比べて抜きん出るという感じではない訳です。
ZEHが高性能というにはちょっとありふれた仕様ですね。
温熱等級4とHEAT20 G2の大きな違い
両者の違いは、居住性と光熱費の違いになります。
数値で示すとするとこのように冷暖房費がはっきり違う訳です。
このグラフは、年間の冷暖房費を水戸市の現物の物件で比較していました。
ただし、G2ではなくG2より少しいいUA値0.42になっています。
温熱等級4の住宅は、冷房費が1.5万円、暖房費が12.6万円円です。
UA値0.42の住宅は、冷房費が6千円、暖房費が5万円です。
冷暖房費は2倍以上の差が広がります。
月に直すと7千円ですね。
この数字が大きいとみるか、小さいとみるかは人それぞれです。
ですが、温熱等級4の住宅よりも年間に8万円以上安くなる事に意味があるのではないかなと思います。
30年間だと250万円近くなりますからね。
居住性の違い 温熱等級4 と HEAT20のG2
実際に生活してみると、特に冬の差が大きいのが実感です。
これらの実感は、実際に住んだ方にインタビューした結果の一部です。
冬は、温熱等級4だと暖房がエアコンだけだと、寒いのでファンヒーターが欲しくなります。
HEAT20のG2以上の断熱性能の住宅は、エアコン1台有れば充分に温かい建物になります。
もちろん、太陽光の影響などをきちんと管理した方がより良い住宅になるのは確実ですが。
真冬に暖房を切って寝ている時にも差が大きいと感じられます。
温熱等級4の建物は、室温が10度を切る日があって、風邪を引き易くなります。
ところが、HEAT20のG2以上の建物は室温が13度を切ることがまずありません。
また、部屋間の温度ムラも小さくなりますので、快適性はHEAT20のG2以上の方が圧倒的にいいですね。
ただし、住み心地は数値化しにくい指標ですので、光熱費が一番の数値化しやすい数値かも知れませんね。
お客様に1年間の電気代を見せて貰う様にすれば、具体的な証拠としていい差別化になりますので試して下さい。
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