突然死を防ぐ家づくりとは

こんにちは。

今日もご覧いただきありがとうございます。

株式会社MXエンジニアリングの湊です。

さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。

《《《2021年8月3日の断熱ブログ第29号》》》

日本って溺死者が異常に多い国?

こんな統計データがあります。

高齢者の「入浴中の急死」に関する地方性

これを見ると、65歳~74歳も多いのですが、75歳以上での人口10万人あたりの溺死者数は日本の男性が34.6人で、イギリスの0.8人に対してなんと43倍!

お隣韓国と比べると65から74歳だと1.7倍程度なのに、75歳以上でも3.17倍にも上ります。

冬期に多発する高齢者の入浴中の事故にご注意ください。

以前にも書きましたが、消費者庁はこのような勧告を毎年出しています。

実際に冬に亡くなる方というのは夏に比べて多いというわけですね。

どのぐらい多いかと言えば、このぐらい多いのです。

家庭の浴槽で5千人の方が溺死しています。

交通事故死者数は、飲酒運転が撲滅されて2500人なのに、高齢者の自宅での溺死は全く減っていませんね。

高齢者に溺死者が多いわけ

原因を調べていくと、こんな記事がありました。これは2020年12月24日号の週刊新潮という週刊誌の見出しです。

住宅の温熱に関する記事を集中的に執筆されている笹井恵里子さんというジャーナリストが、お風呂場での急死の原因は、『ヒートショック』ではなかったというものです。

ヒートショックとは、温かい所から急に寒い所にいって、血圧が危険レベルに上がってしまうことを指します。

これが原因で、お風呂の中で75歳以上の高齢者が亡くなっているといわれていました。

そして、そのヒートショックを起こしている原因が、住宅の低い断熱性能だといわれてきたのです。

ところが、亡くなった方に心筋梗塞や脳卒中がいらっしゃらない。その反面多いのは意識障害と脱力感だそうです。

実際の救急隊員や、医師の診断の結果として『熱中症』ではないか?いうことでした。

つまり、冬に熱いお風呂に入って熱中症になっていたというわけです。これも基本的に建物が寒いというのが主原因ですが、熱中症なら防ぎようがあります。

水分補給をしっかりすれば良いのですから。

ですが、そもそもどうして熱中症が冬に起こるか?といえば、水分補給を怠るからです。どうして、水分補給をしないかといえば、冬は身体が冷えるので、あまりのどが渇かないからというのがありますね。

ですので、室温を一定以上上げて、しっかりと水分補給を行うというのは老後対策としては必要不可欠なんです。

建物の室温を上げるには

建物の室温を上げるには、暖房が一番手っ取り早いのですが、暖房したところだけしか温かくならないとしたらそれも問題です。

全館空調すると使わない所まで温めないといけません。それはエネルギーがもったいないです。

ということで、2つの施策が必要です。

  1. 断熱性能を上げる
  2. 太陽光を沢山建物にいれる

断熱性能を上げるには、断熱材を厚くしないといけません。このあたりの技術論は、別の機会に譲るとして、その結果どうなるか?ということだけ簡単にお伝えします。

断熱性能が高い住宅にすると、暖めた空気や、夏は涼しくした空気が逃げにくく、温度変化が小さくなります。それともう一つ良いことは、建物全体の温度差が非常に小さくなる事になります。

HEAT20のG2以上にして、吹き抜けを作ると1階と2階の温度差が最大でも3度ぐらいになるケースが多いですね。リビングを夏に26度にして、冷房をしていない子供部屋が29度とかでしょうか。

これだと生活している時はちょっと熱いですが、寝ている間は風邪も引かない快適なゾーンだと思います。

冬も外気温が0度程度になっても、建物の一番寒い部屋で15度を割らないようになるなど、生活のクオリティーがかなり上がります。

次に、太陽光を沢山いれる事ですが、南向きの大きな窓の日差しが入った時の暖かさは想像できると思います。

サーモグラフィーで測ってみたら、なんと30度超えでした。これは富山の建物で2021年2月の写真ですが、こんな事が普通にできるわけです。

このことからも、冬は建物に差し込む太陽光がとても重要だと言うことがご理解いただけるのではないでしょうか。

温かい家は、老後の冬の熱中症やヒートショックを防ぎ、建物を温かくしてくれますね。

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Posted by 湊 洋一