断熱塗料と断熱材
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年9月18日の断熱ブログ第71号》》》
数年前ぐらいに流行った遮熱断熱塗料
数年前に大はやりした遮熱断熱塗料というものがあります。
数社が発売して特にリフォームで流行りました。
どの会社も倉庫や工場の屋根に塗ると、夏に涼しくなると言うのが触れ込みでした。
どの塗料も確かに効果はあって、夏に屋根裏の温度が下がったと言う声をよく聞いたものです。
ところが、2年目、3年目になると冷却効果が落ちるという声が出てきています。
結局、効果が薄いという事で急速に興味が失われてしまいました。
また、商品によっては紙コップに塗って熱湯を入れても、熱くないと言うデモンストレーションをする企業もありました。
とても、インパクトがありますし、実際の効果を体感できるので良いもののように感じられます。
本当に断熱効果があって、使えるものなのでしょうか?
そして、その他に住宅に使われている断熱材に比べて何がどう違うのか?考えてみたいと思います。
断熱塗料のメカニズム
断熱塗料はどのように働くか?
熱を伝えるスピードを遅らせるための仕掛けがあるわけです。でないと熱湯を入れた紙コップは持てません。
それは、どの会社のサイトにもあるのですが、中空のセラミックスです。
非常に小さい中空のセラミックスやガラス素材などの物体が温度が伝わる時間を延ばしているわけです。
それに、遮熱材を表面に配置する事で、太陽光のエネルギーを反射させる事で屋根の値段を下げるわけです。
水平屋根面へのエネルギー量 = 太陽定数1.37kw/平米 x sin太陽高度 x 反射率
反射率が100%近い場合は、輻射熱をその分をカットします。
更に、中空のセラミックスやガラス素材で熱の伝導を押さえる事で、夏のエネルギーの侵入を防ぐわけです。
つまり、輻射熱のカット+伝導熱を抑制する事で効果を生んでいるわけです。
断熱材のメカニズム
一般に市販されている断熱材は、熱伝導率という数値でその性能を表します。
当社の使っている、30倍発泡ウレタンは、0.021w/mKという数値を持っています。グラウスールの場合は16k高性能で0.038w/mKと言う具合です。
これは、裏表1度の温度差がある場合、どのぐらいのエネルギーを通すのか?と言う単位です。
U値という壁や窓の断熱性能を表す時には、これに厚さと言う要素が加わって、w/平米Kという単位になります。
つまり、断熱材は厚さという要素がとても重要になるわけです。
この熱伝導率は、その物質の裏表にプローブというセンサーとヒーター付きの物体で測定しますが、一定以上の厚さが必要になります、
断熱塗料と断熱材の違い
この厚さの成分が、断熱塗料と圧倒的に違うところで、遮熱・断熱塗料は塗膜の厚さが精々1ミリ、2ミリであって、どんなに断熱性能が良くても、そんな厚さでは所定の断熱性能発揮できないのです。
更に、塗料と断熱材の違いはコストですね。
遮熱断熱塗料は施工費として平米1万円、2万円という非常に高額ですが、断熱材は100倍発泡ウレタンで平米1200円程度で100ミリも施工できます。グラスウールだと平米単価は数百円です。
つまり、断熱塗料が普及しなかったのは、価格が高すぎる点と、薄すぎて性能としてはみて貰えないという2点につきますね。
これは、一時期大はやりした、アルミのプチプチが付いたシートが全く普及しなかった事にも繋がります。
当社のCW断熱は遮熱性能を持ちつつも、断熱材と組み合わせて使う事で遮熱と断熱の組み合わせを行っていますが、アルミのプチプチだけで断熱性能があると言い切る人たちは、この断熱のメカニズムを無視しているというわけです。
今日は、断熱の塗料と断熱材の違いについて少し話をさせて貰いました。
次は、遮熱の話を少し書いてみたいと思います。
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