断熱材の選定ガイド 1回目

こんにちは。

今日もご覧いただきありがとうございます。

株式会社MXエンジニアリングの湊です。

さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。

《《《2021年10月4日の断熱ブログ第85号》

本当に数多くの断熱材がこの世の中にあふれています。

断熱材の種類
CW断熱の旧パンフレットより引用

充填断熱と付加断熱にわけて今回選定方法を書いていきたいと思います。

当社は、充填断熱は30倍発泡ウレタン、付加断熱はEPS湿式工法とグラスウールの二刀流なのですが、自社の優位はさておき、一体何が良いのか?を書いていきたいと思います。

まずは、充填断熱からいきます。でも分量が多いので数日かかるかもしれません。

付加断熱については、後半で書いていきたいと思っています。

充填断熱ですが、日本で一般的な断熱材は下記の様なものがあります。

繊維系

グラスウール

ロックウール

羊毛断熱・ポリエステル断熱

セルロースファイバー

木質系・ウッドファイバー

ウレタン

100倍発泡ウレタン

50倍発泡ウレタン

30倍発泡ウレタン

断熱ボード

フェノールボード

ウレタンボード

ポリイソシアヌレートフォーム

ポリスチレンボード

この他に、アメリカでは古着を再処理手して、セルロースファイバーの様に断熱材にしていたり、欧州では籾殻や麦わらを使った断熱材も展示会でみたことがあります。

その他に、真空断熱材VIPがあります。

VIPは、バキューム・インシュレーション・パネルの英語の省略です。

これは超高性能なので普及に期待が集まっていましたが、いつまで経っても安くならないのでまともに使えるかどうか解りません。将来性はグレーです。

また、以前取材したことがありますが、エアロジェルという新素材を既存の断熱材に混ぜるということも行われています。

これも、欧州のキャボット社が世界初の連続生産に成功しました。

それまではバッチ式といって釜で少量熱処理をして作っていたので非常に高かったのですが、今後一気に普及する可能性があります。

これらの新素材は、当社も注目して取り扱えるように動いていました。しかし。とても高いので、住宅にはまだ向きません。

今回の流れの最後に記事にしていきたいと思っています。

これだけ素材に幅があると、どれを選んで良いのか?さっぱり解りません。

その選定のお助けになる事を目指して、あまり偏らずに書いて行きます。もちろん、当社とお付き合いして貰えれば技術的なサポートはしっかりしますから、ご安心のほどを。

価格重視ならグラウスール

グラスウールは日本では、3社メーカーがあります。この3社が国内に工場を持っています。マーケットシェアはおおよそですが、こんな感じですね。

マグイゾベール 40% (https://www.isover.co.jp/

旭ファイバーガラス 40% (https://www.afgc.co.jp/

パラマウント硝子工業 20% (https://www.pgm.co.jp/

マグイゾベールが黄色、旭ファイバーガラスが白、パラマウントがピンクという感じで色分けがされています。当社は外断熱工法の場合は、北海道でしか売られていないパラマウントの負荷断熱用のGW40Kを提供しています。

そして、10kg程度の重さから、最大で40kgみたいな製品があります。これは材料の密度が4倍程度ちがう事から起こります。

最近は、16kgの高性能グラスウールが主流になっていますね。この16K高性能グラウスールで、熱伝導率は0.035~38w/mKになっています。10Kの性能が0.045~50w/mK程度ですからかなり良いのです。

価格的には一番メリットがあります。ただし、結露対策のために、防湿シートが必要である事などから施工性が悪く敬遠されているようです。

ただし、火災には強く歴史も古いので、どんな建築方法でもほぼ防火、準耐火認定がある、もしくは告示で対応できるのが魅力ですね。

実際にグラスウールの耐熱性能は400度ぐらいまでで、本格的な火災の温度が700~1000度ですから耐えられないのですが、燃えないという安心感はありますね。

総合的に安定的な供給、メーカー数もある程度あって、安価ということで、グラスウールは一番よく使われる断熱材です。

耐火性能の高いロックウール

日本のロックウールは、世界的に見てグラスウールとは少し異なる歴史を歩んでいます。

元々、欧州のロックウールは、玄武岩や花崗岩を炉でドロドロに溶かして、それを回転させて綿あめの要領で繊維にしている訳ですが、これはグラスウールと同じです。

両者の差は、耐熱温度です。グラスウールが400度程度で溶けてしまうのに対して、ロックウールは700度の温度に耐えます。耐火性には優れています。

ですが、加工温度が高いということは、当然製造コストに響いてきて、販売価格も高いということになります。

日本の場合は、鉄鋼スラグといって、製鉄所の高炉内に付着しているガラス状の廃棄物を再処理して、ロックウールにしています。特性上は大きな差が無いといわれていますが、天然石から作るよりも。本来は安価になるはずですね。

細かい物性の差は正直なところよく知りません。

ただし、グラスウールとの差別化を狙っている工務店さんはロックウールを使われる場合があります。

といっても、断熱性能は大して変わらず0.035~38w/mKと高性能16kのグラスウールと同程度です。

よほど棟数をやっていて、ロックウールの方が安く入る場合を除いて、小さい工務店さんではロックウールはあまり勧めません。

なお、ロックウールは、石綿の代わりに鉄骨の耐火被覆としてビル用では使われることも多いですね。

欧州ではこれをボード状にして、付加断熱(外断熱)の断熱材として使う場合もあります。その場合は、密度が40kg以上と高く外壁が重くなるので木造住宅に向きません。RCなどでの活用が多いのではいないでしょうか。

メーカー名までは解らないので、詳しくはこちらをご覧下さい。

ロックウール工業会(https://www.rock-wool.gr.jp/

これで、まだ2つしか解説していません。それで付加断熱まで説明していたらいつ終わるのかな?はじめは気軽に3日でと思っていましたが、とても無理ですね。(^_^;

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Posted by 湊 洋一