夏のエアコンは連続か?間欠か?
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年9月10日の断熱ブログ第66号》》》
エアコンって連続で使うの?
エアコン使っていますか?
実は3年前の夏まで、自宅にはエアコンがありませんでした。引っ越しする前の住宅は都内なのに家賃が破格の安さだったので、エアコンがありませんでした。自分で買うのもなんだなと思ったので、一切つけませんでした。
なので、夏は汗をだらだらかいて、朝シャワーを浴びて出社していました。
これが最高にエコだと、レベルが高いんだと思っていました。
冬はガスヒーター使っていたので、温かかったですけれども。
2年前から今の自宅に引っ越したのですが、こちらはきちんと全室エアコンがついていました。なので、今ではエアコンは欠かせません。
子供も夏の夜エアコンをつけっぱなしにして寝ているので、風邪を引いたりするぐらい、すっかり堕落しています。
私がいろんなところで、勉強会で話をさせて貰っていますが、比較的新しいアパートやマンションだと、夏冬エアコンで冷暖房。古い木造の賃貸物件だと、夏はエアコンだけど、冬はエアコンだけじゃ寒いので、石油ファンヒーター使っていたり、こたつもついていたりするみたいです。
そして、一般的な夏のエアコンって、暑いからつける。暑いから、ずーっとつけているという方が多いかなと思います。
逆に言えば、人が居ないとか、子供は学校で、大人は仕事で誰も居ない住宅でエアコンをつけっぱなしにするって、もったいないと思いますよね。
なので、わが家も自宅に帰ったら暑いので、エアコンをつけますが、朝家族全員が出かけるタイミングで消しています。
つまりは、間欠運転というわけですね。
夏のエアコンは連続運転の方が良い?!
栃木県にラファエル設計という会社があります。この方は面識がないのですが、最近人気ですね。先日の建築知識 ビルダーズNo.46 『断熱と気密』(アマゾンhttps://amzn.to/3tsqUnq)という雑誌などにも寄稿されています。
ラファエル設計
この先生は、一定の性能以上の住宅は、夏のエアコンは連続運転で良いととおっしゃっています。SNSでは、ご自宅のエアコンは夏はつけっぱなしだと書かれていました。
当社でも、エアコン1台で全館空調というブログを書いていますが、所定の条件を満たすと連続運転と間欠運転のエネルギーの差がほとんど無くなります。
条件としては、
1.HEAT20 G2よりもかなりいい外皮性能がある事
2.夏の日射がしっかりと遮られていること
3.気密がいい住宅であること(C値0.3以下)
4.冷房で使っているエアコンは1台で、建物全体を冷やせる設計になっている事
この4つを満たしてくれれば、エアコンは連続だろうが、暑いからつけるというスタイルだろうがほとんど差がありません。微妙な条件によりますが、連続の方が電気代が安くなるシミュレーションができたりします。
下記ブログもご参照ください。
エアコンは間欠運転の方が絶対にエコ
その逆に、先日、SNSで、PASSIVE DESIGN COME HOMEという会社の木村社長が、夏と冬のエアコンは、間欠運転するべきである!って主張をされていました。
PASSIVE DESIGN COME HOMEさんのHPは下記の通りです。
https://passivecomehome.co.jp/
当社でも、当社の施工物件においてシミュレーションをさせていただいていますが、冬に関しては、暖房器具が基本的にエアコンであれ、ガス・石油のヒーターであれ、エコであるという点に絞れば、間欠暖房にした方が光熱費の金額や電力消費量は低くなります。
この点は大きな差はありません。
そして、木村社長は夏も間欠運転の方が安いと書かれていました。
実は、そのシミュレーションは、おっしゃるとおり正しいのだと思います。
ただし、夏の冷房費は、冬の暖房費に比べると1/4以下です。
UA値0.4程度の住宅を建てると、1月の暖房費は6地域で、1.2万円を超えますが、真夏の8月の冷房費は日射をきちんと遮れば、6千円程度です。しかも冷房は、年間で長くても4ヶ月(一般的に6月中旬から9月中旬の3ヶ月と少し)なのに対して、暖房は11月中旬から4月上旬まで5ヶ月以上必要です。
ですので、夏に関しては、ちょっとした住宅の使い方で結果の電気代が変わったりします。
具体的にいえば。太陽光がちょっと差し込んだだけで、建物が暑くなってしまいます。外壁が黒いと熱は貯まりやすくなります。
ということで、建物の特性などによって、結果が変わります。
なので、一般論でどちらがエコなのかというのは、主張を繰り返してもそんなに意味は無いかなと思っています。
どっちにしても、ちょっとの差だし、我々は研究者では無く実務者なので、お客様に快適にエコに住んで貰うのが一番です。
そのためには、上に書いた4条件をしっかり守った設計をするのが一番エコだと思います。
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