断熱材は置き換えられない
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年9月24日の断熱ブログ第76号》
断熱材が要らない?
以前ちょっと書きましたが、断熱材が大して必要ないと主張する団体がまだまだあるのですね。
驚きました。
以前書いたのは、アルミシートだけで断熱材が無くても快適であると出張する工務店グループがあるという話を書きました。
これは結果が出ていて、夏は良いのですが、冬寒くて寒くていられないということでしたので、この材料を取り扱う会社はどんどん減っているようです。
補助断熱材としては有りだと思いますが、アルミシートだけでは断熱性能は出ません。
そして、構造塾の佐藤さんから教えて貰ったのが、こんな会社です。
『高気密高断熱は必要ない。その代わりに空気を循環させれば快適な住宅を作れる。』
というものです。批判的な話になるので団体名は伏せますが、どこか知りたいという方は個別にメール下さいね。
minato@mx-eng.jp です。
彼らの主張の間違い
その彼らは致命的な間違いを侵しています。
空気をファンで動かす。
何が間違いなのか?考えていきましょう。
空気はファンでは比較的簡単に動かす事ができます。
ですから、一般的に問題は無いのではないか?と思うのですが。
間違い1 ファンは住宅に比べて非常に寿命が短い
間違い2 空気だけが熱の伝搬に役割を果たしているのでは無い
間違い3 排気と循環空気を混ぜると、空気が汚染され続ける
ぱっと思いつくと3つの間違いがありました。
間違え1 ファンの寿命
ファンは、一般的に5年から10年で故障します。交換が必要です。
また、仕組みの説明でセンサーの話が出てきますが、センサーももって10年ぐらいですかね。それよりも早く故障します。
ファンは壊れたら交換しますが、お客様には無理です。センサーは壁体内に存在しますが、そのセンサーは壊れたらそのまま放置ですかね。
住宅会社の扱う商品は、30年、50年のスパンで考えないといけません。
それに対して、電気製品は長持ちしても15年ぐらい。一般的に保証期間は1年か、2年が普通です。つまりは、3年目以降故障したら、お客様のリスクで交換が必要です。
断熱材は、10年で壊れる事無く、30年でも、50年でも黙って働いてくれます。
だから、高断熱の住宅が最近もてはやされているのです。
間違え2 熱の伝達3態を無視
先日も、熱の伝わり方を3つ書きましたが、人体が感じる熱は主に対流熱です。
ところが、実際は壁面、床面からの輻射熱も感じています。人体の快適度を判断する指標はこの6つになります。
- 空気温度
- 湿度
- 周囲平均放射温度
- 気流速度
- 着衣量
- 人体活動量
空気温度は、このうちの1つだけのファクターに過ぎません。
そして、意外に忘れられているのは、周囲平均放射温度です。
皆さんもご経験あると思いますが、壁が冷たいといくらエアコンの温度を上げて室温を上げても何だか寒いというご経験があると思います。
これは、輻射熱の逆転現象で、冷輻射で身体の熱を壁に奪われるという現象です。
これらのファクターをきちんと満たして、初めて快適という状態を作る事ができます。
間違え3 換気の意味を考える
換気というのは室内の汚染された空気を外に排出して、屋外のフレッシュな空気を屋内に届ける事をいいます。
ここで絶対にやってはいけない事は、循環中の空気を一部だけ排出する事です。
空気に色は付いていないので、ショートサーキットが起こる可能性もあれば、室内の空気がいつまでも留まる可能性もあります。
換気の本来の意味は、人間が汚染した空気を速やかに排出する事ですから、それが壁体内を通るというのは基本的にNGです。
何れにしても、断熱材は高いものもありますが、センサーとか換気扇に比べると寿命はとても長いですので、使用期間で考えると比べものにならないです。
良い家づくりをする為には、評価がしっかりでた断熱材や工法を選択してください。別に当社の断熱材で無くても構いませんが、大学の先生との付き合いの無いところは要注意です。
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