熊本地震から耐震等級を考える
4月14日と16日に、熊本・大分県をとても大きな地震が襲いました。
震度7が2度続けて起きたのは、観測史上とても稀なことだった思います。
そして、2度目の震度7がかなりの被害をもたらしました。
さらに震度6弱以上の地震が今回の場合は4回以上起きています。
ご存知の通り建築基準法で定められている数値は、
震度6強で直ちに建物が倒壊しないというレベルです。
ですので、今回の様に複数回震度6以上の揺れにさらされると、
耐震等級1(つまり建築基準レベル)で建てている建物は、危ないというわけです。
これでは、建築基準レベルだと新築といえども危ないということですね。
実際に築10年以内の住宅が30棟前後倒壊しています。
これが多いか少ないかは個人の感想でしか有りません。
私は比較的少ないと思っています。
では、どうすれば良いのか?
結論を言えば、耐震等級3を目指した家づくりをして欲しいということです。
確かに、面倒ですし、窓の制約、壁の制約が出てきます。
出てきますが、今回の地震では大きなニュースになったのが、次のページに出た記事です。
この記事のキモは、基本的に耐震等級3をクリアしていれば、
熊本地震でも大丈夫だと京都大学が認めているというのと同じ事です。
そして、広告やWEBでもこう書いてください。
『熊本地震クラスの地震でも大丈夫!』とか、
『震度7以上の地震でも当社の家は耐えます』とか、
耐震等級という文字を一切使わずに宣伝してください。
お客さまは耐震等級がどんなものかも知らないですし、
そもそも耐震等級1より3がいいとか、3は1の1.5倍だとか全く知りません。
それを伝えても、難しいと思う上に、直ぐに忘れてしまいます。
ですので、お客さまに伝えるとことは、この2つです。
お客さまの安心とメリットです。
単純です。これ以外お客さまに伝えても、覚えてくれませんし、煩わしいと思ってしまいます。
皆さんも、車を買いにいったときに、
トルクの数値とか燃費の細かい数字は覚えていないと思いますし、
営業マンが数値を細かく言ってくれば言ってくるほど欲しいという気持ちが無くなってくると思います。
数値などを覚えておかないといけないのはプロとマニアだけです。
可能であれば、今後建てる家は耐震等級3を標準に出来るのであれば標準化して欲しいと思います。
それであれば、まずは自信を持って売れると思います。
さらに、当然ですが、圧倒的に建売や中古住宅から差別化ができます。
他のローコストでも対応ができないと思います。
今後の一つの指針として、地元工務店の家づくりで、
耐震基準3と断熱関連(Q値1.9以下)の2つは必須だと考えています。
是非、チャレンジしてください。
(2016年5月21日)