基礎断熱のこと
現在、断熱性能を一定以上に上げようと考えると、基礎断熱の方が良いというのが一般的になっています。実際にUA 値を計算していくと、これまでの基礎パッキン工法+床断熱よりも、基礎断熱を行った建物の数値の方が良くなります。
そのため、外張り断熱を行う場合は、基礎断熱をセットで考えてください。
基礎外断熱か、基礎内断熱か?
その場合、よく聞かれるのが、基礎外断熱と、基礎内断熱です。
メリット、デメリットを簡単にまとめてみましたので参考にしてください。
基礎外断熱メリット
- 壁の外断熱と面が揃うのでデザイン面で有利床下のスラブの比熱が使えるので、1 度暖まれば冷めにくい
基礎断熱デメリット
- 防蟻の観点で圧倒的に弱い
- 外側の打ち込みが甘いと冷気が床下に入り込みやすい床下を暖める、
- 涼しくするまで余計なエネルギーがかからない
基礎内断熱メリット
防蟻の心配が無い
床下のスラブに熱を奪われにくい
施工が比較的簡単
基礎内断熱デメリット
- 壁よりも基礎が小さく見える
- 床下がスラブの熱の影響を受ける
どちらが良いかは、好きずきです。
ただし、寒冷地以外の防蟻の心配があるところは、基礎内断熱の方が無難ではないかなと思っています。
基礎断熱の場合は、屋内側のガラリは必須
そして、基礎断熱を選択した場合は必ずガラリを用意する必要があります。
理由は、床下の水分です。
床下から大量の水蒸気が出てきます。基礎は打って一週間もすると充分に乾いて見えますが、生コンの中の水は、1 年間程度かけてゆっくり空気中に放出されます。
ですので、基礎断熱をした場合は、基礎からの水分を1 年間は放出し続ける仕組みが必要です。基礎パッキンがあれば、パッキン部分からその水分は外に逃げたのですが、気密パッキンにした場合は代わりの措置が必要です。
それが、床のガラリです。
個人的にはどうせガラリをつけるのであれば床下の空気を活用して、暖房を行う方が良いと考えています。
床下エアコンの考え方は、このようにして生まれました。これには西方方式と床置きエアコン方式(松尾方式)がありますが、誌面がつきてしまいましたので、このあたりは後日詳しくお伝えしていきます。
基礎断熱は単純で効果が高いので採用した方が良いでしょう。